チューダーはデビッド・ベッカム(David Beckham)が所属するサッカークラブ、インテル・マイアミとのパートナーシップを発表した。

チューダーのアンバサダーは、このエクスパンションチームの創設と、その特徴的でわかりやすい配色であるピンクの選定に携わっている。月曜日にパートナーシップが発表された際、我々の誰も時計が登場するとは思っていなかった。しかし24時間後の今、我々は新しいクロノグラフを見ている。チューダー ブラックベイ クロノ “ピンク”だ。

さて、この時計はインテル・マイアミとのパートナーシップに対する論理的なフォローアップのように見えるが、それは単にサッカー…またはフットボール(またはフトボル)に関することだけではない。チューダーのもうひとりの代表的なアンバサダーである、台湾のミュージシャン周 杰倫(ジェイ・チョウ)もピンクカラーを愛し、身につけていると知られているため、この新しい時計はチューダーのふたつの世界的な顔からインスピレーションを得たコラボレーションのようである。

我々が手にしたのは、41mmのスティールケース、ふたつのインダイヤルディスプレイ、6時位置の日付窓、ねじ込み式プッシャー、スノーフレーク針、COSC認定のCal.MT5813など、(ある意味)スタンダードなブラックベイ クロノである。BBクロノを知っていれば、どんなものかは基本的にわかるだろう。

もちろん、簡単に見落とされてしまう(あるいは製品ラインにすでに存在していると思われている)、些細なディテールを除いての話だ。それはもちろん、ブランドが昨年のWatches & Wondersで発表したばかりの、5連リンクのブレスレットである。これは明らかにロレックスのジュビリーブレスレットからインスピレーションを得ており、クラスプにはチューダーの“T-fit”アジャスティングシステムを備えている。

そうそう、その名前と写真だけでは十分かもしれないが、この時計はピンクダイヤルなのだ。これはドーム状のピンクの表面に、コントラストの強いブラックサブレジスターを配した、“ピンクパンダ”ダイヤルと言えるだろう。深度表示の赤いテキストとクロノグラフ秒針の先端は、全体の外観をさらに引き立てている。そして、私は5連リンクの組み合わせが大好きで、このブレスレットスタイルが全製品ラインに導入されるべきだと思っている。BBクロノは41mm径のサイズにもかかわらず、手首に装着すると大きく感じさせるのだが、このブレスレットスタイルは軽快さをもたらしてくれる。この新モデルの価格は79万2000円(税込)である。

チューダーはプレスリリースのなかで、ピンクダイヤルの時計が必ずしも万人に好まれるとは限らないと承知していると述べている。そのため、本モデルは通常の生産ラインとしてカタログに掲載されていない。事実、我々が思うに実際カタログに掲載されることはないだろう。その代わり生産数は限定され、少量生産となる(正確な数字は現時点では不明)。実際、私はブラックバッククロノピンクが、特に限定であることを考慮すれば、時計界の片隅で注目の的となるのではないかと考えている。

これまで保守的でヴィンテージ風に偏りがちだったモデル群を、派手で個性的に表現したのは確かだが、このピンクダイヤルはBBクロノに本物の楽しさを注入していると思う。そしてW&W 2024まであと2週間を切った今、この新モデルがリリースされたという事実に、私はとても驚いている。

むしろ、4月9日にチューダーから何が出て来るのか、さらに楽しみになってきた。

チューダー ブラックベイ クロノ “ピンク”。ポリッシュ仕上げとサテン仕上げを施した316Lステンレススティール製ケース、41mm径。316Lステンレススティール製固定ベゼル、ブラックアルマイト仕上げのアルミニウム製インサートとタキメータースケール。ピンクのドーム型文字盤にブラックカウンター。自社製Cal.MT5813、COSC認定、パワーリザーブ約70時間。価格は79万2000円(税込)。

ゼニス ファンキーな1969年製デファイダイバー A3648を忠実な37mmサイズで復刻!

これはブランドにとってデファイコレクションにおけるダイバーの最初の復活を示し、また実に歓迎すべきサプライズである。

チタン製のクロノマスター エル・プリメロとトリプルカレンダーを発表した(ローズゴールドベゼルに宝石を配したエル・プリメロもあった)。そして今回、ゼニスはWatches & Wondersにて、すべてが期待どおりではなかったものの、我々の期待に応えてくれる時計を発表した。

その意味するところは、ゼニスはA386、デファイなど、リバイバルモデルで知られているということだ。これまで、ブランドが歴史的に得意とする、時刻表示のみのモデルとクロノグラフというふたつの分野を見てきた。実際、ゼニスと言えば、エル・プリメロであり、“堅牢なダイバーズウォッチ”は思い浮かばないだろう。

ただ、そのように考えるのは間違っていると申し上げたい。その証拠に最新モデル、ゼニス デファイ リバイバル A3648は、実物を見れば真実が分かる。今日はゼニスが初めてデファイダイバーコレクションを復活させた日であり、それは実に特別な時計なのだ。

そしてA3648はゼニスの系譜において重要な時計である。ご存じない人も多いかもしれないが、これはデファイシリーズと有名なエル・プリメロの自動巻きクロノグラフがリリースされたまさにその年、1969年に同じく発表されたのだ。ゼニスにとっては大きな1年である。

歴史的に見ても、これはかなり注目すべき時計である。これがリバイバルモデルということを考えれば予想がつくかもしれないが、、発売当時は今日、私たちが見る時計と非常に似た外観をしていた。目を引くオレンジ色の装飾、デファイの特徴である角ばったケースデザイン、4時半位置のリューズ、600mという驚異的な防水性能(数学が得意な友人のために言うと、1969フィートだ)を備えていた。

今日発表された時計はとてもクリーンで鋭い復刻版である。ベゼル、針、アウタートラックのオレンジの特徴に合わせた、マットなブラックダイヤルがとても素晴らしく見える。デザインのインスピレーションを除けば、あらゆる点で現代的な時計だ。ゼニスのワードマーク、手書き風のスクリプトフォントである小文字のautomatic、昔ながらの斜体のDEFYは、完璧に配色にマッチしている。

ブレスレットにはサテン仕上げとポリッシュ仕上げの両方を備えた5連リンクブレスレットが付属。そして最大の特徴は、これまでのデファイモデルと同様、クラスプに至るまでブレスレット全体がゲイ・フレアー社(Gay Frères)製のオリジナルデザインを完璧に再現しているところだ(私はこの意匠が大好きだ)。なかには約50時間のパワーリザーブを備えたマニュファクチュール製Cal.Elite 670が搭載されており、シースルーバックからその動きを鑑賞することができる。

新しいゼニス デファイ リバイバル A3648は現在発売中で、価格は101万2000円(税込)である。

基本情報
ブランド: ゼニス(Zenith)
モデル名: デファイ リバイバル A3648(Defy Revival A3648)
型番: 03.A3648.670/21.M3648

直径: 37mm
厚さ: 15.5mm
ケース素材: ステンレススティール
文字盤: ブラックとオレンジ
インデックス: アプライド
夜光: あり
防水性能: 600m
ストラップ/ブレスレット: ステンレススティールブレスレット

Zenith
ムーブメント情報
キャリバー: Elite 670
機能: 時・分・センターセコンド、日付表示
パワーリザーブ: 約50時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時

価格 & 発売時期
価格: 101万2000円(税込)