オーデマ ピゲ、創業150周年を記念しドバイウォッチウィークでエキシビションを開催

スイスのオートオルロジュリーマニュファクチュール、オーデマ ピゲは、2025年11月19日から23日まで行われるドバイウォッチウィークにて、創業150周年を祝うエキシビション“ハウスオブワンダーズ”を開催します。本展は、1875年の創業以来オーデマ ピゲを形づくってきた伝統、クラフツマンシップと協働の精神を紹介する没入型エキシビションです。今年7回目を迎えるドバイウォッチウィークは時計業界の意見交換、革新、そしてコミュニティ形成の場として成長しています。オーデマ ピゲの参加は、イベントの創設者であり主催者でもあるセディキ家との長年にわたる関係を反映しており、彼らも今年、節目のアニバーサリーイヤーを迎えています。会期中には、年前に発表したドバイ未来財団とのコラボレーションの成果を含む、ダイナミックなイベントプログラムも主催します。

第7回ドバイ ウォッチ ウィークでオーデマ ピゲが展開するハウス オブ ワンダーズでは、オートオルロジュリーと、オーデマピゲ コピー時計愛好家や好奇心に満ちた来場者とをつなぐ心躍る体験を提供します。© Courtesy of Audemars Piguet

ル・ブラッシュからドバイへ
より多くの人々に機械式時計の世界を知っていただくためオーデマ ピゲはその扉を大きく開き、ドバイ ウォッチ ウィークで巡回エキシビション、ハウス オブ ワンダーズを展開します。会場はドバイの象徴的なロケーションであるブルジュ・ハリファ・パークのモールに位置し、1000 平方メートルにわたるスケールで、ドバイとル・ブラッシュをつなぐ架け橋のように来場者をジュウ渓谷の景観と歴史ある地に誘います。

本展ではオーデマ ピゲの物語に焦点を当てながらも、スイス国内外における時計製作の芸術と進化を紹介する魅力的なスペースも設けられています。

来場者は、創業者が 1875 年にル・ブラッシュに建てたブランド初のマニュファクチュールであり現在もオーデマ ピゲの本社として使われている建物を模してデザインされた入口から入ります。中に入ると、オートオルロジュリーの歴史的要素と現代的なデザインが融合したテーマ別の部屋が並び、ブランドの物語が展開されます。

展示は「Clock Room(時計の部屋)」から始まり、時の概念を、古くから続く時計のチクタクというリズムとともに紹介し、来場者はスイス・ジュウ渓谷の雪景色の中に向かいます。それぞれの部屋ではブランドの歴史の新たなページが開かれ、アーカイブ資料、希少なタイムピース、現代のクリエーションが生き生きと紹介されます。

その後、「Gallery of Time(時のギャラリー)」「Mechanical Secrets(機械のひみつ)」「Vault of Design(デザインの金庫室)」「Astronomical Observatory(天文台)」といった部屋を順に巡りながら、オーデマ ピゲのアイコニックなムーブメントやタイムピースを支える精緻なクラフツマンシップ、素材とデザインの進化、そして伝統技術と最先端イノベーションの融合を体感いただけます。

展示の締めくくりには「Lab(ラボ)」にて、時計製作の未来とブランドのビジョンを推進するパイオニア精神を見ることができ、最後の「Cabinet of Curiosities(好奇心のキャビネット)」では、クラフツマンシップ、創造性、文化的表現の物語を語る記念品の数々が、オーデマ ピゲの協働の精神を讃えます。

[ドバイ ウォッチ ウィーク]
アーメッド・セディキ氏が2015年に設立したドバイ ウォッチ ウィークは、高級時計業界における創造性の融合とその潮流を称える場です。人々、コミュニティ、伝統、そして革新に光を当てながら、時計市場の多様な側面を紹介しています。本イベントは、ドバイで隔年開催される中心的な催しに加え、世界各地でサテライトイベントを展開するムーブメントとして、同じ価値観を持つ取り組みを支援し、コミュニテ7 ィ間の架け橋となるとともに、ネットワークを築き創造的な交流のためのユニークな機会を提供します。
— www.dubaiwatchweek.com

パートナーシップと共通の情熱を称える
1875 年の創業以来、オーデマ ピゲにとって協働の精神はブランドの成長とアイデンティティの中核をなす存在です。ジュウ渓谷に点在する高度に専門化された工房が連携して時計製作を行っていた「エタブリサージュ」システムの黎明期から現在に至るまで、マニュファクチュールは、世界中で時計製作の価値を高める情熱的な人々のコミュニティを築いてきたことを誇りに思っています。

2025 年のドバイ ウォッチ ウィークは、アーメッド・セディキ氏およびセディキ家との長年にわたる関係において、特別な節目を迎える機会となります。今年、セディキ家はビジネス創業 75 周年を祝います。共通の価値観、開かれた精神、そして時計製作コミュニティを育むという深い使命感に支えられたこのパートナーシップは、中東地域のお客様や時計愛好家の皆様に向けたサービスの向上を目指し、今なお発展を続けています。オーデマ ピゲは今年7回目となるドバイ ウォッチ ウィークに再び参加することを嬉しく思い、オートオルロジュリーの世界、そしてその先に広がる多様な分野における協働と持続的なつながりを称えます。

「今年オーデマ ピゲはドバイの時計文化を75年にわたり築いてきたセディキ家と共に、アニバーサリーを祝えることを光栄に思います。セディキ家はドバイの時計市場を大きく成長させ、ドバイ ウォッチ ウィークの原動力として活躍しています。私たちが分かちあう革新の精神と伝統への敬意が、このイベントの中心にある“協働”のエネルギーを力強く支えています」 イラリア・レスタ( オーデマ ピゲ CEO)

「2025 年は、ドバイ ウォッチ ウィークの設立から10 周年という節目の年にあたります。この記念すべき年に、長年のパートナーであるオーデマ ピゲを再び迎え、来場者の皆様に没入感あふれる魅力的な体験をご提供できることを大変光栄に思います。オーデマ ピゲは、私たちのプラットフォームが掲げる“時計コミュニティの構築”というビジョンにおいて、重要な役割を果たしてきました。情熱を共有する人々をつなぐ存在として、ブランドの存在感は欠かせません。今年のドバイ ウォッチ ウィークでもイベントのハイライトとなることでしょう。アニバ ーサリーをともに祝えることを、心より楽しみにしています」ヒンド・セディキ(ドバイ ウォッチ ウィーク CEO)

革新、クラフツマンシップ、 そしてつながりを称える特別な一週間 ドバイ ウォッチ ウィークにおいてオーデマ ピゲは、プレスやクライアント、来場者の方々に向けダイナミックなイベントプログラムを提供します。

毎年恒例のハイライトである「House of Horology(ハウス オブ オロロジー)」では、今年はオーデマ ピゲとドバイ未来財団[註※]のゲストスピーカーによるイノベーションに特化したパネルディスカッションを開催。両者が共有するビジョンのもと、2年前のドバイ ウォッチ ウィークで構想されたコラボレーションの初成果が披露されます。この機会は、時計製作業界における革新を加速させる「協働」の力を改めて考える貴重な場となります。 また一般の来場者向けに、時計製作の世界を体験することができる2つのマスタークラスも開催されます。

[註※ドバイ未来財団]
ドバイの未来を見据え、結束力のある協働的な枠組みを先取りして設計し促進し、課題を機会として捉え、情熱を持って取り組むことで、ドバイを世界最先端の未来都市の一つにすること、全ての人々にとって最良の未来を築くキープレイヤーとなることを目指しています。私たちの最も重要な目標はドバイを、インスピレーションに満ちた、進化し続ける持続可能な未来の設計のためのグローバルなリファレンスとすることです。私たちの役割はドバイの未来を現在に取り込み、未来にフォーカスした都市づくりにおける前例を築くための支援を行うことにあります。大胆な夢と影響力のあるアプローチで、豊かな洞察の中に仕事と生活が息づく文化を目指し、ドバイの役割を未来のソリューションとテクノロジーを試す先駆的なグローバルハブと設定。世界のトップの未来派人材を集めると同時に、アイデアの開発プロセスと最先端テクノロジーを取り入れ、ビジネス、立法、環境対策を絶えず進化させる影響力をもつ提携を通じて、様々なセクターで先端技術の採用を促進しています。多様な企業とパートナーたちとの参加型、協働型の仕事を通じて、スタートアップと起業家コミュニティも支援しています。これらは全て、未来を体験するというコミットメントに支えられており、未来を生きるという没入型の体験を各個人に提供しています。 — www.dubaifuture.ae/

11月21日は「The Art of Finishing(仕上げの芸術)」、11月22日には「The Watchmaker’s Gesture(時計師の動作)」をテーマとしマスタークラスは、マニュファクチュールのノウハウに触れることができる希少な機会です。 最終日には APxMusic チームが企画するインティメイトなセレブレーションを開催。中東地域のAP ファミリーがハウス オブ ワンダーズに集い、カーリタとブラック・コーヒーによるパフォーマンスとともに、記念すべき一週間を祝います。

さらに、サプライズ演出として、ブランドのクリエイティブ・コンデュイットであるジョン・メイヤーがホストを務めるレイトナイトショーが特別にアルマーニ ホテルにて収録されます。時計製作へのインサイトと、レイトナイトショーならではのユーモアとスタイルが融合したこの番組では、モノローグ、インタビュー、そして音楽によるサプライズクロージングが展開されます。ゲストには、オーデマ ピゲ CEOのイラリア・レスタ、ジャーナリストで「Revolution Magazine」創設者のウェイ・コー、そしてズラタン・イブラヒモビッチが登場し、10 月に発表された「RD#5」をはじめ、革新性に満ちた時計製作の世界にスポットライトを当てる予定です。

“THE BEAT GOES ON”
«時を刻み、胸に刻まれる»

【エキシビション概要】
“ハウスオブワンダーズ”
期間: 2025年11月19 ~ 23日
開館時間: 午前10:30 ~ 午後11:00
会場:ドバイモール、ブルジュ・ハリファ・パーク
入館: 無料、一般向け

【お問い合わせ】
オーデマ ピゲ ジャパン
03-6830-0000

[オーデマ ピゲ]
オーデマ ピゲは、今なお創業者一族(オーデマ家、ピゲ家)によって経営される最も歴史あるラグジュアリーウォッチブランドです。1875 年以来ル・ブラッシュを拠点に、型破りなトレンドを生み出そうと新たなスキルや技術の開発、そして職人技の向上を続ける才能ある職人たちを、何世代にもわたり育んできました。スイス・ジュラ山脈に抱かれたジュウ渓谷で、マニュファクチュールが受け継いできた職人技と先進的なスピリットが込められた、デザインや技術の粋を極めた数々の厳選されたマスターピースが制作されています。実現可能な境界を押し進め、創造的な世界の間に橋を架けるオーデマ ピゲは常に新たな地平に向かって進み、その精神にインスパイアされたコミュニティを作り出してきました。

オーデマ ピゲ ロイヤル オーク オフショアの30周年を記念し、

最近、オフショアをよく見かけると思うのだが、お気づきだろうか? 実は今年、この特大の獣のような時計が30周年を迎える。今回オーデマ ピゲが発表したブラックセラミックのロイヤルオーク オフショアは、同色のセラミックブレスレットを採用することでより精悍で大胆な印象のモデルに仕上がっている。

幅42mm、厚さ15.4mmのこの重厚な時計は、オーデマ ピゲの過去30年間におけるヒット作の要素を、これまで見たこともないような組み合わせで再現したモデルだ。ブラックセラミックのブレスレットを新たに取り入れたほか、これまでゴールドやチタンの自動巻きクロノグラフ(Ref.26238)でしか見られなかったプチ・タペストリーを文字盤に採用している。

この時計はブランド初となる完全なモノクロームダイヤルモデルでもあり、APいわく、異なるテクスチャーや素材の組み合わせにより実現は困難を極めたという。ホワイトの針とアクセントで文字盤にコントラストをつけているほか、インダイヤルとフランジ部分のタキメーターをホワイトのアラビア数字にすることで視認性を高めている。

ジェームズ・ステイシーの約18cm周りの腕に、オリジナルのオーデマ ピゲ ロイヤル オーク オフショアのひとつが巻かれている。このモデルはブランドのミュージアムにも展示されているもので、ケースバックに“Offshore”の文字が刻印されていない初期のものである。

オーデマ ピゲはこれまで何度もセラミックを扱ってきているが、特にポリッシュとサテンの仕上げを組み合わせつつ一体感を出すのは、容易ではない。

内部にはコラムホイール式フライバッククロノグラフであるCal.4404が搭載されており、セラミック製のプッシャーで動作する。インダイヤルのレイアウトは従来のモデルと変わらないが、2021年に行われた軽微なアップデートにより、時間、分、秒の順で読めるようにと時間表示がいちばん上に配置されるようになった。ムーブメントにはコート・ド・ジュネーブ、サーキュラーグレイン、面取りなどあらゆる仕上げが施され、22Kピンクゴールドのローターが搭載されている。

我々の考え
終末が近いと感じたことはあるだろうか? 我々は最近、終末の到来を実感している。正直なところ、そんなときには、殺人的なまでにタフで、未来的なデザインのセラミック製オフショアが最適だろう。これは、差し迫ったロボットによる支配を撃退するための非公式の秘密兵器的な時計なのである。

オーデマ ピゲはチタンやフォージドカーボンなど、あらゆる素材をオフショアに使用してきた。しかし驚くべきことに、オフショア本体とそれに合わせるブレスレットをともにセラミックで製作したのは今回が初めてだ。実際、APほどセラミック素材と相性のいいブランドはないだろう。パーペチュアルカレンダー付きロイヤル オークからレディースモデル、それ以外の多様なモデル(そして、私のお気に入りのロイヤル オーク オフショア グランドコンプリケーションやキャロリーナ・ブッチとの素晴らしい取り組みのように、別軸で行われる野心的な実験)にいたるまで、幅広いプロダクトに使用されている。オーデマ ピゲとセラミックは密接な関係にあるのだ。

この度の新作は、お気に入りのオフショアのひとつ、映画『エンド・オブ・デイズ(End of Days)』でアーノルド・シュワルツェネッガーと記念すべき初タッグを組んだ時計を思い出させる。その時計はPVDコーティングされたSSモデルであったが、同様に頑丈なセラミックブレスレットに合わせられることはなかった。今回、それが実現したのだ。

私の目には、伝統的なロイヤル オークのスタイルに限りなく近く映っている。しかしよく見ると、モノクロームによるタッチは洗練されており、過去のオフショアに見られたコミカルな主張に頼ることなくオフショアらしさを表現している。

ジェームズ・ステイシーの腕には、今、新しいフルセラミックのロイヤル オーク オフショアが装着されている。

コラムホイール式フライバック クロノグラフのCal.4404に合わせ、本作のインダイヤルは6・9・12時位置において象徴的なレイアウトをとっている。3時位置の小さなバブルウィンドウには日付が表示されており、ロボットに世界が乗っ取られてから何日経ったかを把握するのにも便利だ。もちろん、オフショアらしくリューズガードも健在である。

私の最大の懸念は、ロイヤル オークの本流からスタイリングのとっかかりとブレスレットを取り入れてしまうことだ。オフショアを語るうえでしばしば挙げられる鮮やかな色彩と特大の数字を回避しようとする選択は、同モデルの文脈を少し曖昧にしてしまうかもしれない。しかしあなたがオフショアで行うべきことは、悪魔を殴ったり、マトリックス風のサイボーグと格闘したりすることだ。身につけている時計のブレスレットがちょっと風変わりなぐらいで気にすることはないだろうと。ただただ、イケているのだ。

基本情報
ブランド: オーデマ ピゲ(Audemars Piguet)
モデル名: ロイヤル オーク オフショア クロノグラフ(Royal Oak Offshore Selfwinding Chronograph)
型番: 26238CE.OO.1300CE.01

直径: 42mm
厚さ: 15.3 mm
ケース素材: ブラックセラミック
文字盤色: ブラック、プチ・タぺストリー
インデックス: アプライド
夜光: あり
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: ブラックセラミック

The Royal Oak offshore in ceramic
ムーブメント情報
キャリバー: 4404
機能: フライバッククロノグラフ、時・分・スモールセコンド、日付表示
直径: 32mm
厚さ: 7.95mm
パワーリザーブ: 約70時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 40
追加情報: パーツ433点

価格 & 発売時期
価格: 1045万円(予価)
発売時期: 発売中
限定: ブティック限定

オーデマ ピゲがマーベル・コミックとの最新コラボレーションでサプライズ!

ラグジュアリーなあなたの隣人、スパイダーマンの登場だ。
オーデマ ピゲはフランソワ-アンリ・ベナミアスCEOの素晴らしくマニアックなビジョンのもと、人気キャラクター・ブラックパンサーのミニチュア彫金を文字盤中央に備え、さらにデザイン要素をケースにもあしらった4桁万円のロイヤル オーク コンセプト“ブラックパンサー”フライング トゥールビヨンを発表した。
この時計に関する私の説明は、時計コミュニティから寄せられた反応に比べれば、ごくありふれたものだ。しかし、なかにはこの時計と、まもなく終了するベナミアス氏によるブランドマネジメントという点を見逃しているものもあった。
オーデマ ピゲ ロイヤル オーク コンセプト トゥールビヨン “スパイダーマン”
ロイヤル オーク コンセプト“ブラックパンサー”フライング トゥールビヨンの核心は、カルチャー的なタッチポイントを現代の時計製造とクラフツマンシップに融合させることだった。その結果、最高のディテールを備えた手仕上げによる彫金が実現。実機においてもそれは素晴らしいものだった。
私は幸運にもその時計を長い期間試すことができ、そのアイデアに不快感を覚えるのではなく、むしろその技術に感動して帰ってきた。ケビン・ハート、NBA選手のドレイモンド・グリーンやスペンサー・ディンウィディなど、セレブリティがこの時計に惹かれるのを目の当たりにし、文化的にも衝撃作だった。
ベナミアス氏がポップカルチャーに造詣が深いことを知れば(映画やコミックをこよなく愛する人物だ)、その考え方がより明確になる。そして、数年間ブラックパンサーと一緒に過ごしてきた我々は今、新たな候補者を迎えることとなった。
オーデマ ピゲのロイヤル オーク コンセプト トゥールビヨン “スパイダーマン”は、御三家ブランドによる、マーベル、コミックブック、時計とのクロスオーバーの最新作だ。文字通りの意味での説明になるが、この時計は基本的にそれ自体を物語るものであり、多くの点で前回の発表時に行われたデザインを引き継いでいる。250本の限定生産で、価格は19万5000スイスフラン(約3000万円、日本円価格は要問い合わせ)だ。
つまり、ベースモデルはコンセプト コレクションで、42mmという非常に優れたサイズなのだ(強めの主張かもしれないが、ロイヤル オーク コンセプトはすべてこのサイズにすべきだと思う)。このモデルには、トゥールビヨンと同様に、チャプターリング式の分表示が備えられている。
文字盤には、ブラックPVDコーティングが施されたゴールドのインデックスとアラビア数字が交互に配置され、その上に同素材の針が重なっている。針と数字はホワイトの夜光塗料で仕上げられ、暗闇でブルーに発光する。そして忘れてはならないのが、フレームの中央にある、ウェブ(蜘蛛の糸)を操るスパイダーマンの立体的なミニチュア彫金だ。
しかし、ブラックパンサーでは、ワカンダのヴィブラニウムを多く含む鉱山からインスピレーションを得たデザインを採用していたが、この時計はウェブ的なアプローチをとっているようだ。その意味で、スケルトン文字盤とは呼ばず、部分的にオープンワーク化したように見えるウェブダイヤルと呼ぶことにする。
ブラックパンサーのストラップはフルパープルだったが、スパイダーマンはブラック(なぜブルーでなかったのかは不明)にレッドのアクセントが加えられている。ブラックとグレーに加え、ブラックとレッドのストラップも用意されており、どちらもチタン製バックルが採用されている。
ブラックとレッドのラバーストラップ仕様。
チタンケースには、全体的に鏡面仕上げとブラスト仕上げが交互に組み合わされ、前モデルのような刻印の追加はない。ケース本体はチタン製だが、ベゼルはブラックセラミックである。
そして、ピーター・パーカー自身も登場する。ダイヤルアートでは、スパイダーマンがマンハッタンを旋回しながら、片方の手はフレームからはみ出し(表向きはウェブを持っている)、もう片方の手はまるで3D映画のスクリーンから手を伸ばして、さらにウェブを放つ準備をしているかのように前に突き出ている。
このスパイディのデザインは、映画化されたキャラクターではなく、コミックの1ページから直接引用したものだ。これは、一連のリリースにおけるAPとマーベルのパートナーシップの明確な境界線である。これはマーベルのコミックキャラクターであり、マーベル・シネマティック・ユニバースの延長線上にあるものではないのだ。
この作品がどのようなアーティストにインスパイアされたものなのか、正確には知らないのだが(私の脳にはこれ以上多くのオタク趣味を受け入れるスペースは無さそうだ)、この彫金のダイナミズムは文字どおり凍りついた生気のないイメージに動きを与えるものだと思う。そして、ピーター・パーカーの背中がトゥールビヨンの怒りの矛先をかろうじて逃れているところを見ると、この時計のデザイナーには脱帽だ。
内部に搭載するのはCal.2948をベースにしたまったく新しいムーブメントで、ブラックパンサーのCal.2965から変更されている。オープンワークは、APチームのエンジニアリングの総力を結集し、ムーブメントのパーツは、スパイダーマンを主役にするために必要なものだけに絞り込んでいる。
スパイダーマンは自社製Cal.2974で駆動する。
そうすることで残されたのが真っ黒な空間から現れ、トゥールビヨンを振り回すスパイダーマンの姿なのだ。オーデマ ピゲによるとキャラクターのシルエットとボリュームは、「まずCNCマシンを使ってホワイトゴールドのブロックから切り出されます。そのあとテクスチャの異なる外観が生まれるようにスーパーヒーローのスーツにレーザーエングレービングを施しているのです」
この工程に続いて、補正など彫金関連の仕上げは、ひとりの職人による手作業で行われる。塗装も手作業で仕上げられている。全部で50時間かかる作業だ。
前回のリリースと同じ基本的なケースを利用したことは、ここでも素晴らしい選択だったと思う。もし、前作からひとつのコンセンサスがあるとすれば、それは42mmケースの全体的なフォルムだ。
このような時計には十分な実験があるものだ。生きているパーツがひとつでもあれば絶対に直さない。その代わり、APとチームはスパイダーマンの彫金を輝かせるために、比較的まっさらなキャンバスにしたのである。
私はまだこの作品を実機で見ていないが、もしこれがブラックパンサーのようなものであれば、ここで見るこれらの画像はすべてを表しているとはいえない。
コミックと最高級時計とのコラボレーションは、ある意味ではばかげたものかもしれないが、もしかしたら勇敢なことでもあるかもしれない。数量限定なので、前作と同様にコレクターズアイテムになることは間違いないだろう。
しかし、これだけでは終わらない。ブラックパンサーと同様に、同社はこの時計のユニークピースをオークションに出品し、ファーストブックとアショカ協会に寄付する。ブラックパンサーのユニークピースは520万ドルで落札されたが、本作はそれを上回る620万ドル(約8億6620万円)で落札された。
ロイヤル オーク コンセプト トゥールビヨン”スパイダーマン” 42mmチタン製ケース。ブラックセラミック製ベゼルとリューズ、サファイアクリスタルとケースバック。50m防水、文字盤に手描きと手彫りの立体的なスパイダーマンのキャラクター、ブラックPVDコーティングのホワイトゴールド製インデックス、ブラックのインナーベゼル、蓄光コーティングのホワイトゴールド製ロイヤル オーク針、手巻きCal.2974、3Hz、約72時間パワーリザーブ、トゥールビヨン、時、分表示。

オーデマ ピゲをおまけに搭載したコーチビルドモデルの最新作で“クルマと腕時計の競演”を見せ、

3000万ドル(日本円で43億5700万円)とうわさされるクルマには、それに似合うユニークピースが用意されてしかるべきだろう?
自動車業界は2023年のモントレー・カー・ウィークを締めくくったところだ。クルマと時計は密接な関係にあるため、必然的にいくつか時計関連のニュースが飛び込んできた。私は会場にいなかったものの、ロールスロイスはオーデマ ピゲをおまけに搭載したコーチビルドモデルの最新作で“クルマと腕時計の競演”を見せ、ショーの主役となったようだ。まあ、当然だろう。
2017年にスウェプテイル(ファントムをベースにしたレイス風の2ドア車)、ボートテイル(テーパーしたボディ、バタフライドア、ラゲッジコンパートメント上にカレイドレーニョのウッドパネル)を発表したロールスロイスは、モントレー・カー・ウィークの期間中、ザ・クエイルで4台のオーダードロップテイルの第1弾を発表した。これらはすべて同ブランドの“コーチビルド”プログラムの一環として提供されるもので、既存モデルですら無限に近いカスタマイズでも不十分な場合、VIPに特別な気分を味わってもらうための方法をロールスロイスのようなブランドは常に用意していることを示している。
ロールスロイスのラ・ローズ・ノワール・ドロップテイルは美しいカスタムカーであり、このクルマを依頼した一族の家長が愛してやまないバカラローズへのラブレターでもある。何千時間にもおよぶカスタム作業と、約3000万ドル(日本円で43億5700万円)ともささやかれる価格からして、まさに車輪の上の芸術品だ。だが、その話はまた後で。その前に、語るべき時計がある。
クルマの発明以来、クルマと時計の歴史は密接に絡み合ってきた。したがってこのオーダーに時計の項目があるのは理にかなっている。ダッシュボードの助手席左側にあるボタンを押すと、オーデマ ピゲによる唯一無二の時計、ロイヤル オーク コンセプト スプリットセコンド クロノグラフ GMTが現れる。
この時計は2023年初頭に発表されたばかりで、今作はこのプラットフォームを使って製作された初のユニークピースだろう。オーデマ ピゲ ロイヤル オーク コンセプト スプリットセコンド クロノグラフ GMTは、(まさにロールスロイスのドロップテイルのような)先進的な素材とテクノロジーを採用したブランドを象徴するモデルである。直径43mm × 厚さ17.4mmの巨大なケースはチタン製で、カーブしたケース形状のおかげで実寸よりもコンパクトに見えるが決して小さくはない。コンプリケーションを詰め込むには、かなりのボリュームが必要だ。約70時間のパワーリザーブを誇るオープンワークの自動巻きムーブメント 4407は、ローターの軸受けにスプリットセコンド機構を内蔵し、12時位置にはGMTとラージデイト表示を備えている。
特注の赤いカウンターと、ラ・ローズ・ノワールの色調に合わせた赤いインナーベゼルを備えたこの時計は、クルマのダッシュボードのなかに収められている。またダッシュボードそのものが寄木細工の傑作であり、彼らが“バラの花びらが舞い散る様子を抽象的に表現した”と語るこの作品は、2年の開発期間を経て1603ピースのブラックウッド製ベニヤの三角形から作られている。そしてボタンを押せば、2枚の小さな扉の後ろに隠された時計がゆっくりと姿を現す。
オーデマ ピゲの新しいコンセプトはストラップを簡単に付け替えることができるため、車載時にはヘッドをクルマのマウントに取り付けてダッシュボードクロックとして使用することもできる。ラバーストラップを使用しないときには、ドアポケットに入れることを想定した専用のレザーポーチも付属する。時計がないときでもチタン製のフレームが、オーデマ ピゲの職人が手作業でバラのエングレービングを施したホワイトゴールド製のコインを強調する。映像では時計の代わりにコインが収まっているのが確認できるため、時計を腕に装着しているときにもここに隙間ができることはないだろう。なお、ストラップ用のクイックリリースはケースバック側からアクセスする形になっているので、どうやって時計を取り出すのか実はよくわかっていない。おそらく、ほかの場所にちょっとした隙間があるに違いない。
ボートテイルには近未来的なテクノロジーが投入されているが、その一方でエレガントなアートのような印象もある。そのため、ロイヤル オーク コンセプトを、より伝統的なロイヤル オーク(同じぐらいモダンに見えるかもしれない)や特注品の懐中時計の代わりに使うのは少し場違いな感じもする。しかし私は顧客に特注ロールスロイスに対する感想を述べる権利はないと思っているし、そんなこととは関係なくこのクルマは本当に美しい。
“コーチビルド”のロールスロイスを手にするということは、いまやほとんどの時計ブランドで味わえないであろう贅沢の極みである。まるでヘンリー・グレーブス(Henry Graves)氏やジェームズ・ウォード・パッカード(James Ward Packard)氏がパテック フィリップにグランドコンプリケーションやスーパーコンプリケーションを特注していたあのころのようだ。ハイブリッドティーローズであるブラックバカラの花びらは、光の加減でブラックから濃いレッドバーガンディ、そしてポメグラネート(ザクロ色)へと変化する。これらの色は、寄木細工からカスタムカラーによる“トゥルーラブ”ペイントに至るまで、車体全体に使われている。取り外しできるようカスタムされたルーフにはエレクトロクロミック(電流を流したり電圧をかけることで色が可逆的に変化する技術)ガラスパネルが装備され、ロードスターとクーペをひとつにしたような雰囲気を味わうことができる。モノコックボディはスティール、アルミニウム、カーボンファイバーからなっており、インテリアからエクステリアまでその造形は驚くほど彫刻的だ。内部には6.7リッターV型12気筒エンジンが搭載され、最大馬力は593ps、最大トルクは620psを誇る。
また、新しいオーナーが新しいクルマ(と時計)を祝う準備が万全でないことを心配しているのなら、このクルマには特別に手配したシャンパーニュ ド ルッシのヴィンテージを入れる特注のロールスロイス製シャンパンチェストが付属している。足りないのは、ロールスロイス製のシャンパンサーベルぐらいだ。

オーデマ ピゲのチャレンジは、新たな才能とのタッグで複雑時計と現代アートを融合させた。

キャラクターウォッチの歴史は古く、1902年に出版されたアメリカの漫画マスター・ブラウンの顔をダイヤルに描いた懐中時計が発見されている。そして1933年、インガソール社がミッキーマウスの腕を針としたキャラクターウォッチを開発。以降、キャラクターウォッチは、ダイヤルの飾りである静止画タイプとメカニズムに取り込んだアニメーションタイプとが次々と登場していく。それらの大半はチープなモデルであったが、1980年代以降、高級時計の表現手段としてさまざまなキャラクターとのコラボレーションが試みられるようになった。

オーデマ ピゲは2017年からマーベルと長期的なパートナシップを模索し、2021年、メゾン初のキャラクターウォッチを世に送り出した。それは静止画タイプでもアニメーションタイプでもなく、キャラクターを立体的なモニュメントとして設えダイヤルに配した、まったく新しい表現であった。2023年には、その第2弾が登場。そして今年誕生したオーデマ ピゲの3Dキャラクターウォッチでは、現代アーティストが生み出したキャラクターの世界観をメカニズムと融合させるという、新たな試みに挑んだ。

オーデマ ピゲが目指すのはより良いものを成し遂げ、まだ存在しないものを創ること。そのための手段のひとつが、伝統と前衛の共存であるという。伝統はメゾンに息づく。そして前衛は、さまざまなカルチャーとともにインスピレーションを与え合うことで新たな創造の領域を得てきた。

マーベルとの提携では、前述したようにそれまで存在しなかった3Dキャラクターウォッチが生み出された。それをさらに発展させるため、メゾンが新たなパートナーとして選んだのは、世界的な人気を誇る現代アーティスト、KAWSであった。そのコラボモデルとなる「ロイヤル オーク コンセプト トゥールビヨン “コンパニオン”」のダイヤルは、その名の通り彼の代表作であるコンパニオンの立体的なモニュメントで埋め尽くされている。

ミッキーマウスから着想を得たと言われる、顔をスカルに仕立て目を“××”としたキャラクターはフィギュアでも人気で、グラフィックとしてもさまざまなブランドで用いられてきた。その上半身をオーデマ ピゲはチタンを使って立体的に創り上げ、サファイアクリスタル風防に手を押し当てて、外側を好奇心いっぱいにのぞき込んでいるかのように配した。そしてその胴体の真ん中は丸く開口され、トゥールビヨンの動きを見せている。

これまでの2作のマーベルウォッチは1作目のブラックパンサーがフライングトゥールビヨン、2作目のスパイダーマンがトゥールビヨンであったが、いずれもキャラクターとは切り離され、関連性を強く主張していなかった。それが今回、胴体に組み込まれたのは、KAWSには“解剖シリーズ”という作品群があるから。つまり機械式時計の心臓部を、解剖されたコンパニオンの心臓に見立てたのだ。これは、KAWSの世界観とメカニズムとの幸福なマリアージュだと言えよう。

ロイヤル オーク コンセプト トゥールビヨン “コンパニオン”

Ref.26656TI.GG.D019VE.01 価格要問合せ(250本限定)

チタンケース、43mm径、17.4mm厚。手巻きCal.2979搭載、約72時間パワーリザーブ。10気圧防水。

サンバースト模様のチタンダイヤルプレート上に、グレートーンのチタン製ミニチュア KAWS “コンパニオン”。サンドブラスト仕上げのライトグレーチタンインナーベゼル、暗闇でブルーに発光する蓄光加工を施したチタンのペリフェラル式ロイヤル オーク針とアワーマーカーを採用。

また過去2作のモニュメントと比べ、ペイントを最低限にしているのも新たな試みである。色は、ライトとダーク、2つのグレーのみ。そしてサテン仕上げとサンドブラスト加工によるコントラストの違いで立体感を際立たせ、コンパニオンのフォルムを純化してみせた。さらにケースも同じチタン製として異なる仕上げを組み合わせ、グレーのトーン・オン・トーンによる静謐な外観を創出している。

ロイヤル オーク コンセプト トゥールビヨン“コンパニオン”を見る

KAWSのクリエイティビティを全身で表現

キャラクターの純化はメカニズムでも図られた。ご覧のようにダイヤルを埋め尽くすコンパニオン上には、針がない。代わりにその外側で、分・時の各指標が回転するペリフェラル式時刻表示を、メゾンとして初採用したのだ。ムーブメントの縁に設置した遊星歯車を調速し、分・時の各指標が載ったリング状の歯車を回す仕組みは、ミステリーウォッチや今年各社から登場したセンタートゥールビヨンで試みられてきた。それを、時分針がキャラクターを邪魔しないために用いたのは、おそらく過去に例がない。

このモデルのために開発されたCal.2979は、ケースバック側の造作にも凝る。主輪列を覆うのは、ブラックPVDを施したティアドロップ型の立体的なブリッジ。これはKAWSのキャラクターたちのパデッド(詰め物)デザインからインスピレーションを得ているという。中央には約72時間のパワーリザーブをかなえる大型の香箱が鎮座し、そのラチェットホイール(角穴車)にも、KAWSを象徴する“×”が象られている。さらに香箱の上を小さく開口し、巻き戻りを防ぐクリックを見せているのも、ユニークである。