ミニサイズの新鮮なカルティエ3選。

セレブリティからInstagramの有名人、時計愛好家、そしてニューヨークのダウンタウンに住む“クールキッズ”など、ありとあらゆる場所にあふれており、そのトリクルダウン効果を簡単に見抜くことができる。昨晩も、ロンドンにあるごく普通のレストランチェーン店で、イエローゴールドの小さなセイコーを身につけている給仕係を見かけた。ティニー タイニー ウォッチ(Dimpieceの創設者、ブリン・ウォルナー氏による造語で、小さくて可愛らしい時計という意味)は、どこにでもあるのだ。

小振り時計の復活は、ファッション業界におけるジェンダーラベルの見直しから生まれたものであるため、少なくともそれと関連している。最大手の老舗ブランドが、男女共同参画のランウェイショーのアイデアを取り入れることにしただけではなく、今やグッチのように強力なブランドが両方の性に向けた商品をデザインし、ターゲットにしている。

男性はスカートにクロップドTシャツ、ブラウス、そして“女性らしい”ジュエリーを身につけるなど、性の垣根を超えたフルイドファッションを、キッド・カディ(Kid Cudi)とハリー・スタイルズ(Harry Styles)がリードしている。一部の人にとっては、これは大変革のように思えるかもしれないが、正直に言おう。ジェンダーニュートラルの思想はすでに普通のこととして称賛されている。なぜならハイファッションの世界では本気で誰も気にしていない、というのが真の変化の兆しである。

時計の製造という、本来は氷河のようにゆっくりとしたペースに回帰すると、ジェンダーのレッテルを取り払うという考え方のほうが主流になりつつあるのだ。私は男性が小振りな時計を身につけることを特に革命的だとは思っていないが、これは自分が何をすべきか、何をしてはいけないかなど多くのルールがある業界のなかで、新鮮な息吹を感じさせてくれるとは思う。

カルティエは、スモールウォッチのトレンドの先頭を走っている。ティニー タイニー ウォッチクラブの結成メンバーであるタイラー・ザ・クリエイター(Tyler, the Creator)がこの数年のあいだ、ブランドに多大なストリートクレド(ストリートカルチャーのトレンドに敏感な都会の若者から信頼を受けること)を与えたことは間違いない。とはいえ、ジェンダーバイナリー(男性か女性かの二択のみで性別を分類する見解)について広く議論されるようになるずっと前から、カルティエはジェンダーニュートラルな時計をつくり続けてきたことを否定する人はいないだろう。

私が完全な反対主義者であるという余談になるが、もしあなたがXがクールだといったら、私はすぐにYのほうがクールだというだろう。人気が出ているのを見ると、本気で身体的な不快感を覚えるほど苦しくなるのだ。そのためこの瞬間だけは、小さな時計はただ小さな時計に過ぎないということにしておこう。駆け引きはもういい! これからの数分間は、このミニサイズのカルティエの時計が、本当に純粋な喜びに“火をつけて”くれるため、公平な時計トークに没頭しようではないか。

カルティエ パンテール ドゥ カルティエのリストショット
カルティエのプレゼンテーションは、間違いなくトレードショーで最も好きなイベントのひとつだ。30分間、身の回りのあらゆるものすべてが赤と金色に彩られ、カルティエのロゴが表示される。プレゼンテーション用のトレイ、ノートや鉛筆、そして小さなエスプレッソコーヒーのカップまで、お揃いのソーサーに繊細に置かれていた。カルティエの世界へと誘われるその数分間は、新鮮さ、フレンチアクセント(発音)、そしてリストショットを上手に撮ることだけが問題なのだ。

私はこのプレゼンテーションに、スモールウォッチの課題を持って挑むつもりはまったくなかった。しかし各コレクションのアイテムを試着してみると、小振りウォッチが大量にあったことに気づいた。

まずは「タンク アメリカン」。ステンレススティールではかわいらしい印象ながら、ダイヤモンドをあしらったホワイトゴールドでは完璧な仕上がりになっていた。私は普段、レクタンギュラーダイヤルを持つ時計を褒めるときは「タンク サントレ」までにとどめているのだが、「タンク アメリカン」については新たな敬意を抱いている。この敬意はほとんど、同僚のリッチ・フォードンのおかげなのだが、彼はそのなかで、ヴィンテージの「タンク アメリカン」を購入すれば、私の「タンク サントレ」への強い憧れが一時的に和らいで、入手・購入する領域に入るだろうと、親切にも教えてくれた。

カルティエ タンク アメリカンの横置きイメージ
カルティエ タンク アメリカンのブレスレット寄り
カルティエ タンク アメリカンのケースサイド
オークションにときどき出品される、ダイヤモンドでできたアール・デコ調のカルティエ ブレスレットを試着するような気分で、今回は新しい可憐なダイヤモンドバージョンを試着した。頑丈でありながらしなやかさもあり、そして宝石がセットされているため非常に強い輝きを放っているが、決して明るすぎることはない。正直なところ、時計をじっくり吟味する前にこのブレスレットに心を奪われてしまった。シルバーのサンレイダイヤル、ブルースティール製のソード型時分針を備えたこのクラシックなカルティエに。ロジウム仕上げのWGケースとリューズには、ブリリアントカット ダイヤモンドをセット。さらにロジウム仕上げのWGブレスレットにもブリリアントカット ダイヤモンドをセットしている。ミニモデルの「タンク アメリカン」は、2023年秋に778万8000円(税込予価)で発売される予定だ。

次は新しい「パンテール ドゥ カルティエ」にいこう(人気のものを好きになってしまうという私の悩みを思い出させてくれる!)。金無垢にブラックラッカーとダイヤモンドをあしらった文字盤を合わせた、スモールサイズの時計だ。試しにつけてみると、パンテールがセクシーで可愛らしい時計だと呼ばれていることについて、今まで考えていたことや感じていたことをすべて覆されたような気がした。このすらっとした優美なアイテムは、手首につけるとベルベットのような感触をもたらした。まるで真夏のクローゼットから完璧なバイアスカットのシルクのドレスを引っ張り出すかのように、簡単で、風通しがよく、完璧で、予備の選択も必要ない、そんな感覚を覚えたのだ。私は彼女をゆるく巻いて、手首の内側をちらっと見て時間を確認するだろう。そして黒いアイテムを、もっとたくさん身につけるようになるかもしれない。私はこの時計を中心に、まったく新しいライフスタイルを築いていくのだろう。YG製の小さな「パンテール」は、30.3mm×22mmのサイズで、長寿命クォーツムーブメントを搭載している。こちらは2023年冬に、403万9200円(税込予価)で発売される予定だ。

カルティエ パンテール ドゥ カルティエの横置きイメージ
グランドフィナーレは、バングルにつけられたミニ「ベニュワール」だ。これは実物を見るまで、私の好みとは程遠いものだった。だがゴールドオンゴールドが私を虜にしてしまうということを知るべきだった。この「ベニュワール」ウォッチで、まったく新しいカテゴリーのジュエリーウォッチを生み出したと思う。「ベニュワール」を金無垢のバングルに装着したデザインチームの天才に、敬意を表したい。バングルはブレスレットよりも主張が強いと感じるが、宝石をセットしたものよりかは主張が薄められていると思う。バングルがジュエリーウォッチのどの位置にいたとしても、私の目には完璧に映る。なお発表会では、この時計がほかのブレスレットとも重ね付けできるように設計されていることまで教えてくれた(私にはまさしくそう聞こえた)。巷で話題になっているスタッキング(重ね付け)について、個人的な感想がどうであれ、大都市の富裕層が住む地域を散策すれば女性は皆スタッキングしている。LOVE ブレスレット、アルハンブラ、テニス ブレスレット、チャームブレスレット、そして高価な腕時計も一緒に。カルティエが消費者の声に耳を傾けた結果、重ね付けしたときに少し楽に休めるような時計をつくりあげたというのは、とても素晴らしいことだ。新しい「ベニュワール」はクォーツムーブメントを搭載し、2023年夏に171万6000円(税込予価)で発売予定となっている。

カルティエ ベニュワールのリストショット
カルティエ ベニュワールの文字盤寄り
小振りな時計を身につけることがトレンドになっているのかもしれないし、その結果、私は誰よりも早くクールなものを知っていると言わんばかりに、ファッションに敏感な編集者のように振る舞っているだけかもしれない。しかしこの新しい流れのなかで、私は純粋に、時計の未来に希望を抱くようになった。ソーシャルメディアや、ここHODINKEEの神聖なホールで、あなたやあなたの気持ちを口汚く攻撃するスタイルエディターに影響を受けているのと同じくらい、自身にとって何がクールかを決めるのはあなただけなのだ。ロイヤル オーク オフショアや、カルティエ「ベニュワール」のバングルをつけて、至福のひとときを過ごせる世界に乾杯しようではないか。

カルティエが「サントス デュモン」のコレクションを復活させてから、

今年発売された「サントス デュモン」 スケルトン マイクロローターにより、2019年にリリースされた比較的手頃な価格、そしてクォーツの「サントス デュモン」からコレクションがどれだけ進歩したかを印象づけた。

カルティエは2023年に、「サントス デュモン」コレクションを復活させた。

「サントス デュモン」は1904年に誕生し、最初の市販男性用腕時計として知られる。同モデルの歴史のほとんどで「サントス デュモン」はレザーストラップに身を包んだドレッシーな時計であった。1978年、カルティエは別ラインとしてサントス ドゥ カルティエを発表。ブレスレットの追加とモデルの改良によって真のスポーツウォッチとなり、オーデマ ピゲやパテック フィリップなどによる新しいブレスレット一体型の高級スポーツウォッチに挑んだ。2019年、「サントス デュモン」のドレスアップしたモデルが再リリースされたことで、このモデルに大きく引かれるようになったが、クォーツでしか手に入らなかったため、違う機械式を探し始めた。結局、90年代製の「サントス デュモン」 CPCPを購入した。この時計についてはこちらに記事を書いている。

イエローゴールド(ブルーラッカー)、ローズゴールド、スティールの3種類の金属を使用した、カルティエ 「サントス デュモン」 マイクロローター。なおイエローゴールドは150本の数量限定。

今年のWatches & Wondersで、カルティエはSS、RG、限定版のYGを素材に使用した「サントス デュモン」 スケルトン マイクロローターを発表した。私が手にすることができたのはSS製バージョンで、デザインを第一に考えつつも、優れた時計づくりをこっそり備えているのだ。

「サントス デュモン」 スケルトン マイクロローターは、カルティエの“ラージ”サイズケースを採用しており、直径が31mm、厚さが8mmとなっている。手首で存在感は放つが“XL”ほど大きすぎず、このモデルにぴったりの現代的なサイズだ。見事なまでのムーブメントに加え、異なるストーンからローマ数字を切り出したほかの新作「サントス デュモン」と比較して、スケルトン マイクロローターのほうを好む理由はそのサイズにある。

「サントス デュモン」 スケルトン マイクロローターの主役となるのは新しくスケルトナイズされたCal.9629 MCだ。2009年に発表された“サントス 100”以来、数々のスケルトンキャリバーをリリースしてきたカルティエが新たにリリースした美しいスケルトンムーブメントである。ブリッジがインデックスを形成し、さらに主ゼンマイ、歯車列、ヒゲゼンマイがすべて見えるビジュアルだ。2時位置で見られるように、主ゼンマイは小振りで、キャリバーのパワーリザーブは約44時間とやや短い。ヒゲゼンマイの反対側に位置する主ゼンマイは、キャリバーに対して一定の対称性をもたらす。防水性は30mと、この手の時計としては十分なスペックだ。

本作はマイクロローターの上を飛ぶ小さな飛行機が美的な焦点となっている。実際に時計を手に取る前に取材したときは、なんだかおもしろみに欠けると思っていた。私は「サントス デュモン」が大好きだが、それはそのデザインだからであって、パイロットとの歴史的なつながりがあるからではない。この関連性は素晴らしいマーケティングストーリーにはなるが、マイクロローターは少し直球すぎないかと感じたのだ。

しかし飛行機は大きすぎず、地下鉄の車両を挟んでかろうじて目立つ程度だ。ローターは「サントス デュモン」の歴史にちなんだもので、もともとは同名の有名な飛行士のためにルイ・カルティエが作ったものだ。マイクロローターに施された飛行機は、サントス=デュモンの有名な“ラ ドゥモワゼル”という飛行機の模型だ。話によると、サントス=デュモンは少し風変わりな発明家で、熱気球に乗ってパリの人気の場所でディナーに現れるような人だったという。いずれの場合も、機体は金属とマッチし、デザインにまとまりがあり、ギミックが多すぎない。また、マイクロローターは離陸するために多少の動作が必要になるため、サントス デュモンの着用や計時の邪魔にはならない。

文字盤には伝統的なローマ数字は使われていないが、それでも時間を示すのにシンプルであることは、カルティエのデザインの証でもある。なんといってもベゼルのネジとキャリバーのブリッジの両方が、インデックスとも時間を知らせるのに役立っている。またブリッジにはストラップ(SSはブラック)に合わせて、小さくラッカーの線を入れている 。「サントス デュモン」 マイクロローターのシルエットや形状は一見すると見慣れたもので、オリジナルデザインに忠実でありながら、よく見ると完全に現代的なものにアップデートされている。またカルティエの継承に基づいた忠実な復刻モデルの多くに見られるように、ケースはコンパクトで薄い。同ムーブメントは視覚的にも優れていて、仕上げのほとんどを機械で行っているように見えるが、SSで451万4400円、YGで605万8800円(ともに税込予価)という価格のカルティエに期待するところである。

YGモデルにブルーラッカー仕上げのベゼルとケースを組み合わせたモデルは、2022年のラッカー仕上げのケースの成功を踏まえた、おそらく最高に位置するものだ。ただし150本までと制限されているため、大半の人はRGかSSモデルで落ち着く必要がある。カルティエが通常の生産品でもラッカー処理をしていたら最高だった。

カルティエがコレクションにSSを加えてくれたことに感謝する。そしてそれは金無垢よりも少し安いオプションで、「サントス デュモン」をドレスとスポーツをミックスしたような時計に仕上げている。それでも451万4400円(税込予価)という価格は、SSモデルの例としては決して安価な時計ではないが、過去数年間にカルティエから発売された強気な価格のヘリテージウォッチと比べると、十分楽しめる時計である。

「サントス デュモン」のファンであると公言している私としては、今回のスケルトン マイクロローターはラインナップに加わるにふさわしいと感じる。これはカルティエが現在最もエキサイティングな時計メーカーのひとつであることを示す一例だ。印象的な時計づくりでありながら、伝統とデザインの範囲内に身を置いている。この組み合わせはスケルトン マイクロローターという文字どおりのもので、メゾンが美しくも新しいスケルトンムーブメントを生み出し、それをクラシックなサイズ&デザインのサントス デュモンに搭載した。「サントス デュモン」のコレクションを復活させてから4年、このモデルはこれまでで最も現代的なものとなり、現代のアルベルト・サントス=デュモンにふさわしい時計となったが、熱気球に乗ってやってはこれない。

同僚のペドロの17.25cmの手首に装着した「サントス デュモン」(私の小さい手首にも装着できる)。

カルティエ 「サントス デュモン 」スケルトン マイクロローター。ステンレススティール(Ref.CRWHSA0032)、イエローゴールド(Ref.CRWHSA0031)、ローズゴールド(Ref.CRWHSA0030)。いずれも31mm径、8mm厚。イエローゴールドは150本限定で、ベゼルにブルーラッカーを採用。いずれもカルティエの新手巻きCal.9629 MC。振動数は2万5200振動/時、パワーリザーブは約44時間。アリゲーターストラップ、ピンバックル。価格はすべて税込予価で、451万4400円(SS)、587万4000円(RG)、605万8800円(YG)。カルティエ ブティックにて発売中。

新品カルティエスーパーコピーPanthèrede Cartierチーター時計

新品カルティエスーパーコピーPanthèrede Cartierチーター時計
チーターシリーズは100年以上前から存在していますが、チーターシリーズは決して終わったことはありません。パンテールドゥカルティエチェディレオパードウォッチは、絶えず進化し革新的なユニークなスタイルを象徴しています。 2019年のジュネーブ展で、カルティエはこのミニ腕時計を見事なアイコニックなデザインで発表し、コレクションに新しい創造的エネルギーを吹き込みました。
パンテールドゥカルティエカルティエチーターミニウォッチ
このミニウォッチは、パンテールドカルティエコレクションの本質を体現しています。喜びと暖かさを楽しんで、常にジュエリープロセスの限界に挑戦する古典的な傑作です。
18Kローズゴールドのブレスレットとケースはとても女性らしい女性らしさを示し、ベゼルのダイヤモンドは見事で、シンプルでエレガントなダイヤルはちょうどいいです。
Panthèrede Cartierの時計はスマートで滑らかで絹のようで、くぼんだチェーンリンクのパッチワークが肌をより透明で明るく見せています。フランスの女性がパリのシャンゼリゼを歩いているように、それはもっと自信があります。
パンテールドゥカルティエカルティエチーターミニウォッチは巧妙に異なる外観を与えるように設計されています。オリジナルの時計とほとんど同じですが、細部がさらにあいまいで、この絶妙なジュエリーウォッチは他のブレスレットとの組み合わせ着用やオーバーレイに理想的なユニークなスタイルになっています。あなたがカルティエLOVEシリーズのブレスレットまたはネイルブレスレットのいずれかの種類を持っている場合、カルティエの多くのジュエリーアイテムは比較的設計が簡単です、スタッキング効果が良くなります。