ロレックスが、ディープシー Ref.136668LB、フルゴールド(一部はブルー)モデルを発表!

我々は皆、オイスターフレックスブレスレットの新型サブマリーナーが発表されるとばかり思い込んでいた。しかし、そうではなかった。代わりに我々が目にしたのは、ブルーとゴールドをサブマリーナーの型を受け継いだ、まったく新しい金無垢のディープシーである。ただ、この時計はより大きく、大胆で、ずっと深く潜ることができるのだ。44mmというサイズ感は、ゴールドのダイビングツールとしてはかなり頑丈な部類に入る。しかし、水面下にはもうひとつの隠れた機能がある。

Rolex
リングロックシステムとコンプレッションリングはセラミック製で、ダイヤルと色調を合わせた特徴的な曲線は、ロレックススーパーコピー 代引き専門店先代と比較すると控えめな印象を受ける。また、ダイヤル上の表記は、ケースの輝くイエローゴールドと対照的な渋みを帯びた色調だ。

重量のある時計に軽さをプラスしてくれるのが、RLXチタン製の裏蓋である。私としては、今日のW&Wのあと、手首にこの重さと大きさを感じる瞬間が待ちきれない。

我々の考え
文字どおり…これは大きい。44mm径の純然たるロレックスのディープダイバーズウォッチなのである。18KYG無垢製で、裏蓋はもちろんチタン製。一体私や読者の目にはどう映るのだろうか? 実物を見てみないと何とも言えないが、見た目は気に入っている。このような時計が必要なのかどうかはわからない。しかし、それを言っては時計なんて本当に必要なものだろうか?

私にとっては、ロレックスがコンビのエクスプローラーやシードゥエラーを発表したのに匹敵する大ニュースだ。その上、金無垢サブマリーナーはヴィンテージとモダンにかかわらず、ブルーとブラックの両方とも、最も愛されている貴重なロレックスのスポーツモデルのひとつである。ただこれはステロイド剤のようなもので、44mmはロレックスだと(ほぼ)最大の時計である。しかし、YGの重厚さが加われば、これはロレックスがつくる最大の時計と呼んでもいいかもしれない。

Rolex
ザ・クラウン(ロレックス)が何か新しいものを発表するとき、私はいつもディープシーにRLX(チタン)の裏蓋を採用した2022年のように、小さなディテールに注意を払う。今年、我々は同じケースバックを目撃することとなった。これはゴールドにはやや目障りではあるが、間違いなく必要な機能なのだ。それだけでなく、リングロックシステムとコンプレッションリングも刷新された。新しいセラミック構造により、視覚的な違和感が少なくなり、全体的にまとまりのある外観に仕上がっている。

しかし、上述したとおり、この時計は実物を見てみないことには分からない。続報を乞うご期待。

基本情報
ブランド: ロレックス(Rolex)
モデル名: ロレックス ディープシーゴールド(Rolex Deepsea Gold)
型番: 136668LB

直径: 44mm
ケース素材: 18Kイエローゴールド
文字盤: ブルー
インデックス: アプライド
夜光: あり、クロマライト
防水性能: 3900m
ストラップ/ブレスレット: 18Kイエローゴールド製ブレスレット

Rolex
ムーブメント情報
キャリバー: 3235
機能: 時・分・センターセコンド、日付表示
パワーリザーブ: 約70時間
巻き上げ方式: 自動巻き
クロノメーター: あり

価格 & 発売時期
価格: 751万800円(税込)

パテック フィリップ アクアノート 5164Gの実機レビュー

ほとんどの人は、どれだけ手が届かないものであっても、いつかは手に入れようと心に決めている時計があるはずだ。私にとっての長年の憧れは、パテックのRef.5164であった。同僚のジェームズ・ステイシーと同じく、私も多機能なGMTが大好きで、アクアノートはその王者だと思っている。

Patek Philippe Aquanaut 5164G
Ref.5164Aのディスコンについて書いたとき、私はそれを“愛好家に人気”と呼んだ。パテックフィリップスーパーコピー 代引き4万ドル(日本円で約618万円)以上もして、パテックのVIP以外はほとんど手に入らなかった時計に対して少し言いすぎかもしれないが、つけているのを想像するだけで素晴らしく、幸運にも本当に所有することができればさらに素晴らしい時計であるのは確かだ。クールなデザイン、快適なストラップ、スポーティな仕様(防水性からスティールケースまで)、黒のカラーリングなど、すべてが“クワイエットラグジュアリー”が流行する以前からクワイエットラグジュアリーの最高峰だった。

アクアノート・トラベルタイムにはエレガントさがあり、それは新しいRef.5164Gでも変わらない。私は旅行に行くとき必ずと言っていいほどロレックスのGMTマスターIIを使っているが、ケースの左側にあるプッシャーを使用する触感の魅力は格別である。新しいタイムゾーンを設定するには“フライヤー”GMTを使うのが比較的簡単だが(リューズを緩めて適当な位置まで引き出し、時を進めるか戻す)、5164のプッシャーを使用する感覚に匹敵するものはない。上のプッシャーはクリックごとに時針を1時間進め、下のプッシャーは時を戻す。いずれにせよスケルトナイズさせた時針で目立たせないようにしつつ、ホームタイムを指し示し続ける。またふたつの開口部はホームタイムとローカルタイムゾーンの昼夜を追跡(青が夜、白が昼)し、6時位置のインダイヤルでは日付を表示するなど、これは左右対称の美しい時計である。

Patek Philippe Aquanaut 5164G
このタイプのデザインはパテックにおいて長い歴史があり、1960年代初頭のカラトラバ・トラベルタイム Ref.2597にまでさかのぼる。ジェームズ・ステイシーが2019年に執筆した5164RのHands-On記事で述べていたように、2597のムーブメントは、ワールドタイム機能の父と呼ばれるルイ・コティエ(Louis Cottier)の発想から生まれたものである。つまりRef.5164は、創造性という重要な系譜を受け継いでいると言える。しかし、アクアノート・トラベルタイムの大胆なデザインとスポーティさは、おそらくコティエが想像していたものをはるかに超えている。

Patek Philippe Aquanaut 5164G
Ref.5164Aはもう入手できないが、パテックがこのロングランリファレンスを貴金属製の新バージョンで継続することは、ある程度予想できた。ただ私はパテックが新しいアクアノート・トラベルタイムを発表して、それをSS製の新リファレンスで提供してくれることを望んでいた。もしそれが発表されていたら、今年のように閑散としたWatches & Wondersでは最大のリリースとなる可能性が高かった。ただ、いまのところSS製のスポーツモデルを避けるというブランドの決定に沿ったものではなかっただろう。

またアクアノート・トラベルタイムのRef.5164がローズゴールド製でカタログに残っているため、2世代の時計がカタログに同時に掲載されることは考えにくかった。新しく再導入されたホワイトゴールドバージョンは(RGと)同じCal.26-330 S C FUSムーブメントを採用しているため、主にケース素材と文字盤/ストラップの色が変更されただけである。しかし手首への装着感も変わってくる。

Patek Philippe Aquanaut 5164G
アクアノート・トラベルタイムは、市場で最もつけ心地のいいスポーツウォッチのひとつであり、素晴らしいカスタムカットのラバーストラップとデプロイヤントクラスプを備える。ケースの厚さは10.2mmとスリムで、2時から8時までの対角線幅は40.8mmである。また、ラグは手首を包み込むように下がっている。しかしゴールドにすると、時計の上部が重く感じられるようになる。これはブレスレットではなく、ストラップを採用した貴金属製スポーツウォッチの多くが抱える問題であり、重いケース素材がバランスを崩してしまうのだ。またパテックは防水性を5164Aの120mから30mに低下させるというより実用的な方法で、この時計のスポーティさを減らした。どちらの金無垢モデルにもシースルーバックが採用されていたが、残念なことに新しい防水性能はアクアノートを水中に持っていくことを少し躊躇させる仕様となった。

Patek Philippe Aquanaut 5164G
しかし、フィット感やバランスの問題は、新しい文字盤の色と同様に個人の好みである。ロレックスは顧客の好みに合わせて色の選択肢を提供する傾向があるが、パテックはそのような道を選んでいない。彼らは使用する素材に対する自信(顧客の需要を無視してでも)、強いデザインセンスを持っている。何年か静かなリリースが続いたあと、パテックは“カーキ”のアクアノート・トラベルタイムを、WGやもっと大胆なプラチナ製でリリースして、“話題の波”を生み出したかったのではないかと想像していた。しかしパテックが引き続き需要を抑えようとしていることには、おそらく何か意味があるのだろう。5164Aの価格は、小売価格までとはいかないが徐々に下がってきている。

代わりにオパラインブルーグレーの文字盤、アクアノート・エンボス・パターン、WG製ケース、そして998万円(税込)の値札がついたモデルを得た。写真で見た限りでは、ダイヤルがライトブルーすぎて、私のような控えめなものが好きな人には装着できないのではないかと心配だった。長年夢見てきたクラシックな5164Aではないが、実物はより暗く見え、光の加減で変化していた。ということは、幸運にも手に入れることができれば、普段使いとしても活躍できそうだ。

Patek Philippe Aquanaut 5164G
夢のアクアノート・トラベルタイムを手に入れるまでにはもう少しかかりそうだ。これは私が望んでいた時計ではないが、現在手に入るのはこのモデルだ。間違いなく5164Gは、現在13年続いているリファレンスモデル(カタログで最も長命のリファレンスだと思う)として、しばらくは残るだろう。パテックが1年後に新モデルを発表するためだけに、まったく新たなモデルを投入するとは考えにくい。そのあいだ、多くの人々が新しい5164Gを楽しむことになるだろう。ジェームズの言葉を借りれば、これは私が選ぶ最もクールな現代のパテック フィリップである。SS製アクアノート・トラベルタイムの夢を引き続き持っているが、いま必要なのはこの時計である。パテックが私にとっての聖杯を復活させてくれる日のために、もう少しお金を貯めておこう。

毎年恒例のこの祭典に、オリスはダイバーズ65にDLC加工を施した。

過去5年間、オリスは毎年6月1日に、1904年6月1日にスイスのヘルシュタインで会社が登録されたことを記念して、250本の限定モデルを発売している。だからこそ、オリスに120歳の誕生日おめでとうを一番に伝えたい。その年齢の半分でもあなたのように(素敵に)見えることができたらいいと思う。オリスによると、これらのヘルシュタインエディションはクールなデザイン(2023年版や2022年版を参照)で、通常のカタログにはまず登場しないような時計を作っているという。今年もその流れを継続し、今回は新たにブラックアウトのDLCコーティングが施されたダイバーズ65を発表した。

oris holstein edition 2024
オリス ダイバーズ65 ヘルシュタインエディション2024は、ブランドのおなじみのレトロダイバープラットフォームを使用しているが、そのすべてが黒で統一されている。40mmのケースはブラックアウトされたDLCコーティングのスティール製で、ダイヤル、夜光、針もすべて真っ黒だ。同様に、ラバーストラップとDLCコーティングされたバックルも黒い。ほかに見落とした部分はあるか? コルム スーパーコピー代引きベゼル、リューズ、裏蓋もすべてDLCコーティングされている。オリスがオールブラックの時計をつくったのはこれが初めてだ。

内部には、ヘルシュタインブランドの自社製Cal.400が搭載されており、高い耐磁性と約5日間のパワーリザーブを実現している。なお時計をMyOrisに登録すると、10年間の保証も受けられる。

2024年のヘルシュタインエディションは、6月1日よりブティック、小売店、オリスのウェブサイトで販売される。希望小売価格は66万円(税込)。250本生産されるこの限定エディションは、シリアルナンバー入りで製造する予定だ。

我々の考え
oris holstein edition 2024 divers sixty-five
“理由は特にない”と、オリスの共同CEOであるロルフ・スチューダー(Rolf Studer)氏は、ブラックアウトされたダイバーズ65のプレスリリースで述べている。この率直さには感謝したいし、オールブラックウォッチには何かしらの魅力があるのは間違いない。クールで秘密めいた感じがあり、しかもオリス初の試みだ。これが一般生産の時計であれば、その実用性や視認性について文句を言うかもしれないが、250本しかない限定モデルであり、この時計を手に入れるために急いで駆けつける愛好家たちは(先着順だ)これが最も機能的なダイバーズウォッチだから購入するわけではないだろう。

オリス ダイバーズ65は完全にヘリテージを意識したモデルであるが、それがモダンな雰囲気のブラックアウトバージョンで表現されるのは楽しい。それはどこかブラックベイ セラミックをほうふつとさせる。より現代的な素材とヴィンテージにインスパイアされたダイバーズウォッチの緊張感が、時にはうまく機能することがあるのだ。

基本情報
ブランド: オリス(Oris)
モデル名: ダイバーズ65 ヘルシュタインエディション2024(Divers Sixty-Five Hölstein Edition 2024)
型番: 01 400 7794 4784-Set

直径: 40mm
厚さ: 12.8mm
ケース素材: マルチピースステンレススチールケース、ブラックDLCコーティング
文字盤: ブラック
インデックス: アプライド
夜光: あり、針とインデックスにスーパールミノバ
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: ブラックラバーのトロピックスタイルストラップ、DLCコーティングバックル

oris divers sixty-five holstein edition 2024
ムーブメント情報
キャリバー: 400
機能: 時・分・センターセコンド、日付表示
直径: 30mm
パワーリザーブ: 約120時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 21
クロノメーター: なし(ただし日差-3/+5秒の精度を誇る)
追加情報: MyOrisに登録すると時計とムーブメントに10年の保証が付く

価格 & 発売時期
価格: 66万円(税込)
発売時期: 発売中
限定: あり、世界限定250本

グランドセイコー スプリングドライブ キャリバー9R 20周年記念限定モデル

スプリングドライブ キャリバー9Rの周年を祝うべく、グランドセイコーは2種類の赤文字盤モデルをリリースした。

昨日、グランドセイコーはスプリングドライブ キャリバー9Rの20周年を記念したふたつの限定モデルを新たに発表した。これはグランドセイコーがウォッチメイキングにおいて多大な貢献を果たした事実を称えるものであり、伝統的なゼンマイから機械的な力を得る一方で、電子および電磁部品を組み合わせることによってそれぞれ単体で使用するよりも大きな価値を生み出す“ハイブリッドムーブメント”というコンセプトを祝うものである。日差±1秒という驚異的な精度で知られるキャリバー9Rシリーズは、グランドセイコーの物語のなかで確固たる地位を確立。過去20年間以上にわたってグランドセイコーはこのコンセプトを進化させ、時刻表示のみの手巻きムーブメントから自動巻きクロノグラフGMTに至るまで数多くのバリエーションと、スプリングドライブの特徴を生かしたモデルを発表してきている。

Cal.9R31、手巻き式スプリングドライブムーブメント。

グランドセイコーのブランドに精通している人なら、ロレックス時計コピー Nランク 代金引換こうした限定モデルは往々にして文字盤が真の主役であることを知っているだろう。そして今回のリリースにおいても、まさにそのとおりになっている。

まずひとつ目のモデルであるSBGY035は、直径38.5mmで厚さが10.2mmだ。このモデルはほかのSBGYモデルにも見られるステンレススティール(SS)製のケースを採用しており、広く滑らかなケース形状は手首に密着し、ラグは比較的短い。グランドセイコーのデザインに通常見られるような鋭いエッジよりもより穏やかな傾斜を特徴としている。内部には手巻き式のCal.9R31を搭載しており、約72時間のパワーリザーブとスプリングドライブに期待される日差約±1秒の精度を誇る。

文字盤の外側に向かって暗くなるダークなグラデーションがいいアクセントになっている。

グランドセイコーが製造する文字盤の説明ではおなじみだが、SBGY035の際立った赤いカラーリングについてもブランドは詩的な表現を行っている。このモデルについては、「夜の静けさに包まれていた穂高連峰が朝日に照らされ、その輪郭がはっきりと浮かび上がり、美しい紅葉が現れる様子をグラデーションダイヤルで表現しました」とある。

ブランドの過去数年間のリリースを追っている人ならば、この文字盤のパターンが非常になじみ深いものであることに気がつくかもしれない。それはSBGA413“春分”(アメリカ限定モデル)や昨年発表されたRGモデルの傑作であるSBGY026“花筏(はないかだ)”と同じものであり、今回は美しい濃赤(こきあか)のフュメカラーが施されている。ビーズブラスト加工された“GS”ロゴやポリッシュ仕上げの秒針は、淡いローズアンバーゴールドで彩られた。この時計には赤茶色のクロコダイルストラップとデプロワイヤントバックルが組み合わされている。全世界で700本限定で、11月からグランドセイコーブティックと一部の小売店で販売が開始される予定だ。価格は116万6000円(税込)となっている。

この文字盤を見た瞬間、急にフルーツポンチが食べたくなった。

同タイミングでリリースされたもう1本のモデルが、自動巻きスプリングドライブを搭載したSBGA499だ。直径40.2mmで厚さは12.8mmと手巻きのSBGY035と比較して少しボリュームがある印象だが、ケースはより伝統的なフォーマットに則っているためより広い層への訴求が期待される。さて、この文字盤についてプレスリリースに書かれている詩的な表現を引用しよう。キャリバー9R 20周年記念モデルの2本目については、「鮮やかな赤色のダイヤルは、夜が明け、昇る太陽の光に照らされた穂高連峰がより一層輝く様子を表現」したとある。

自動巻きスプリングドライブムーブメントの特徴であるパワーリザーブインジケーターは7時から8時の位置に配置されており、本作では淡いRGの色合いでコントラストがつけられた。また、10気圧の防水性能がこの時計をより日常使いに適したものとしている。SBGA499の文字盤上でなめらかな動きを見せるCal.9R65は9Rファミリーで最初に作られたムーブメントであり、今回のリリースにはふさわしいムーブメントだといえよう。この時計は9月7日(土)から79万2000円(税込)で世界限定1300本で販売される。

SBGA499に搭載された自動巻きのCal.9R65。

我々の考え
グランドセイコーが限定モデルのために文字盤のカラーウェイを新たに提案するのは今回が初めてではないし、今回が最後というわけでもない。しかし実際にこれらを目にした際、その文字盤の美しさには驚かされた。私は普段、赤色を好まない。しかしとりわけSBGY035に関しては、中心に向かって明るくなる豊かな色合いのグラデーションとテクスチャーがこの時計に命を吹き込んでいるように見える。名作SBGA413“春分”が日本の繊細な桜の花を表現していたとすれば、この文字盤はまるで大きなチェリーパイの1片のようだ。ふたつ目の時計であるSBGA499では文字盤の色はさらに明るくなり、より強烈で電飾的な赤に感じられる。文字盤に施された鮮やかなサンバースト仕上げによって、よくも悪くも特に真昼間に目立つ時計であることは間違いない。私からすると少し赤が強すぎるため、もう少し暗めの色合いであればさらによくなると思うが、赤文字盤の愛好家からは異論が上がるかもしれない。

これらの時計が過去の多くのモデルのように地域限定ではなく世界中で発売されることを考えると、特にSBGY035においては非常に高い需要が予想される。SBGA499の数量がSBGY035のほぼ2倍であるのは価格帯によるものだと推測されるが、私からするとSBGY035のほうがはるかに魅力的な時計であり、特に限定版としてその価値が高いと感じる。欲をいえばSBGY035を限定1300本として欲しかったところだ。

基本情報
ブランド: グランドセイコー(Grand Seiko)
型番: SBGY035、SBGA499

直径: 38.5mm(SBGY035)/40.2mm(SBGA499)
厚さ: 10.2mm(SBGY035)/12.8mm(SBGA499)
ケース素材: SS
文字盤色: レッド
インデックス: アプライド
夜光: なし
防水性能: 3気圧(SBGY035)/10気圧(SBGA499)
ストラップ/ブレスレット: 赤茶色のクロコダイルストラップ(SBGY035)/SS製ブレスレット(SBGA499)

ムーブメント情報
キャリバー: 9R31(SBGY035)/9R65(SBGA499)
機能: 時・分・秒表示、ケースバック側にパワーリザーブインジケーター(SBGY035)/時・分・秒表示、デイト表示、パワーリザーブインジケーター(SBGA499)
パワーリザーブ: 約72時間
巻き上げ方式: 手巻き(SBGY035)/自動巻き(SBGA499)
石数: 30
クロノメーター認定: なし、ただし精度は±1秒/日

side view of GS
価格 & 発売時期
価格: SBGY035は116万6000円/SBGA499は79万2000円(ともに税込)
発売時期: SBGA499は9月7日(土)/SBGY035は11月9日(土)
限定: SBGY035は世界限定700本/SBGA499は世界限定1300本

Apple Watch Series 10とUltra 2ブラックを実機レビュー

今年でApple Watchは10年を迎える。2014年にAppleは初代Apple Watchを発表しており、HODINKEEのワン・アンド・オンリー、ベン・クライマーが取材に訪れている。客観的に見てゴツいデザインが多いスマートウォッチのなかで、Apple WatchはAppleらしく、ほかとは一線を画す存在として当時も際立っていた。先日、AppleはApple Watch Series 10を発表。私たちは現地でそのお披露目イベントを取材した。

series 10 alu and titanium
スーパーコピー代引き 口コミ第1位先週の基調講演 “It’s Glowtime” 以来、私は新しいApple Watch Series 10とUltra 2の新色を数日間体験してみた。本記事の動画では新モデルの重要なポイントをいくつか紹介しているが、記事ではもう少し細かく掘り下げていく。

Apple Watch Series 10
 今年、AppleはSeries 10のケースデザインを一新したと発表した。丸みを帯びた長方形のシルエットはそのままに角がわずかに丸くなり、デジタル・クラウン(リューズ)が小型化、縦横比が変わった。

 これらのアップデートにより、Apple Watchは手首の上でより大きく感じられるようになった。もちろん、サイズが45mmから46mmに大きくなったのだからこれは当然のことだ。1mmの差は大した違いではないと思われるかもしれないが、新しいアスペクト比と相まってよりスクエア感が強くなったのは明らかだ。またSeries 10の厚さは9.7mmで、これまでのApple Watchのなかで最も薄い。ケースが薄くなったこともその視覚的効果を強調しているが、これは決して悪い意味ではない。私の手首に装着した感触では手首の上に置かれた小石のようではなく、実際の時計ケースに最も近い感覚になっていると思う。

series 10 wrist shot
ギヨシェ彫りへのオマージュ

 このアップデートによるもうひとつの大きな改善点は、Apple Watch史上最大のディスプレイだ。1度に多くのテキストが画面に収まるようになり、Apple Watchを手にしてから初めて私はこのディスプレイでメールを読めることに気がついた。Appleはまた新しい 広視野角OLEDディスプレイを搭載しており、斜めから見たときのディスプレイの明るさは私の古いSeries 7と比べても際立っている。実用面では、特にコーヒーカップなどを手にしたまま時計を直接顔に向けることができないシチュエーションで(膝を冷たいコーヒーで濡らさないよう)、通知を読みやすく感じた。このふたつのアップグレードは驚くようなものではないが、まさに正常進化と言えるだろう。

series 10 wrist shot
新しいリフレクション文字盤の “常時オン”モードでは、秒針が付くようになった。

 常時オンモードの更新は、1分に1回から1秒に1回になった。また、ギヨシェ彫り(伝統的な時計製造へのオマージュは続く)がモデルの“リフレクション”と題されたまったく新しい文字盤では、表示が常時オンモードになると秒針が動き続ける。これは小さなアップデートだが、Apple Watchの文字盤が技術的にはほとんどクォーツウォッチと同じことができるという一線をついに超えたことを示している。

alu series 10
case side alu
caseback alu
 エントリーモデルのアルミニウムは新しいジェットブラックの仕上げが目を引く。この仕上げはiPhone 7で1度登場したものの、それ以来今に至るまでまったく日の目を見てこなかった。エントリーモデルのアルミニウム製Apple Watchが全面ポリッシュ仕上げになったのは今回が初めてのことで、実際に手に取ると驚くほど美しい。ディスプレイと風防は完全にケースに溶け込んでいるがごとく、実にクールな錯覚を引き起こす。Appleはケースを徹底的に研磨し、アルミニウムを陽極酸化処理したのち、ケースに完全に浸透する黒い塗料を使用することでこの仕上げを実現している(PVDのような従来のコーティング手法ではない)。ケースは密閉され、Apple Watchでは見たことのないような深みのある漆黒が再現されており、旧型のDLCスティールモデルでさえもブラックのコーティングが施されたどの時計より滑らかな手触りを実現している。

 指紋は目立つが、コーティングされたブラック仕上げよりも拭き取りやすいと感じた。ジェットブラックのiPhone 7は光の加減で微細な傷が目立ちやすかったが、この時計が使い込まれていくなかでどのように変化するのかが気になるところだ。Appleがジェットブラック仕上げを復活させたということは、工程にいくつか改良を加えているに違いないと思う。さらに、ジェットブラックはiPhoneよりも腕時計に向いていると感じる。日常的な摩耗や損傷にさらされる頻度がiPhoneよりも少ないからだ。これはこれまでで1番気に入っているApple Watchの仕上げかもしれない。この仕上げのおかげで、最も低価格のApple Watch Series 10すらもより洗練された印象を受ける。

workout screen
caseback
ケースバックも本体と同じ素材になった。以前は心拍センサー周りはセラミック製だった。

case side
リューズを囲む象徴的な赤いリングは消えた。

 プレミアムモデルにおいて、Appleはケース素材をSSからグレード5のチタンに変更した。多くの時計メーカーが、グレード5のチタンについて加工も仕上げも(ましてや完全に磨き上げるのは)はるかに厄介な素材だと宣伝していることを考えると、これはかなり大変なことだ。確かに税込10万9800円という価格帯でこれを実現するには、スイスのケースメーカーをはるかに凌ぐ生産量を誇るAppleの量産能力が大いに貢献していることだろう。チタン製のSeries 10ではナチュラル、ゴールド、スレートの3色が展開され、いずれもPVDコーティングが施されている。実際に使用してみているが、この記事を執筆している私の手首に巻かれたナチュラルカラーの仕上げが気に入っている。旧型のノンコートのポリッシュ仕上げのSSよりも少し色が濃く、より繊細でエレガントな質感が加わっていると思う。SS製に比べて20%軽量化されたことは注目に値するが、それでもアルミニウム製よりしっかりとした重みを感じる。

mesh bracelet
業界で最もソフトなメッシュを採用して早10年を数える(しかもSS製)。

 さて、リリース後に多くの関心が寄せられたブレスレットについて少し説明しておこう。Appleはミラネーゼループとリンクブレスレットの両方に3つの新色を用意しているが、素材はSSのままだ。SS製ブレスレットはチタンカラーに合わせてPVDコーティングが施されているが、完璧な一体感に定評があるブランドとしては不自然だ。スイスの時計メーカーがチタン製ケースにSS製ブレスレットを組み合わせるというのは、確かに考えにくい。

 ミラネーゼループを実際に身につけて考えてみると、いくつかの理由が思い浮かぶ。まずは機械加工。もし両方のブレスレットを試す機会を得たなら、おそらくメッシュが現代の時計のなかで最もソフトで繊細なブレスレットであること、そしてリンクブレスレットには賞賛に値するほどのエンジニアリングが投入されていることに同意するだろう(工具を使わずにリンクの調節ができるなど、非常に時代を先取りしていた)。このふたつをチタンで実現するのは、価格を少しでもリーズナブルに保つ前提のうえではとても困難だと思われる。加えてチタンはSSとは異なり非磁性体である。つまりAppleはメッシュの無段階調節可能なマグネットクラスプを廃止しなければならない。そうなると、幅広い手首に対応するエレガントな代替策を講じるのは難しいだろう。

The new water depth sensor on the Series 10 is suitable for snorkeling.
Series 10に搭載された新しい水深センサーはシュノーケリングに適している。

 WatchOS 11のソフトウェア機能が続々と追加された一方で、Series 10にはより高速な急速充電や水深・水温センサーなど、ハードウェア面でもいくつかの改良が加えられた。ヘルスケア分野で今年追加された最大の機能のひとつは睡眠時無呼吸症候群の検出だが、これは一部の旧モデルでも利用できる。睡眠時無呼吸症候群の検出には30日分の呼吸障害データ(内蔵の加速度センサーを使って呼吸パターンの中断を検出する新しい指標が組み込まれている)が必要だが、私はすでにiPhoneのヘルスアプリで呼吸障害データがポップアップ表示されるのを確認できている。

H Radio Apple Watch
 私がSeries 10を装着して毎日便利だと感じているのは、時計のスピーカーから直接オーディオを再生できる新機能だ。一見大したことではないように思えるが、料理をしていたり洗濯物をたたんでいたりするときに、携帯電話を置いたままPodcastを流せるのが気に入った。Apple Watchの使い道を日々広げ続けてくれる便利な追加機能だ。

Ultra 2に新色ブラックが登場
Ultra 2
DLCコーティングを施したブラックのApple Watch Ultra 2。

ultra 2 side
ultra 2 crown side
 この1週間で私が扱うことができた最後の時計は、“新”Ultra 2だ。今年のUltra 2に内部アップデートはなく、DLCコーティングによる新しいブラックモデルが追加されたのみである。DLCとPVDの違いについて復習が必要な方は、このふたつの用語について私が詳しく解説した記事をぜひお読みいただきたい。この新しい仕上げは実際に手に取ると非常にマットなダークグレーに見え、その下にあるチタンの質感が感じられる。

 Appleは今年、Ultra 2用にチタン製のミラネーゼメッシュブレスレットも発表しており、より堅牢なデザインで、ダブルプッシュ式のパラシュート式クラスプを特徴としている。このブレスレットもよりデリケートなSS製のブレスレットと同様に非常に精巧に作られており、堅牢でありながら手首に装着した際の感触は非常にスムーズだ。DLCはAppleにとって珍しいものではないので、Ultraからこの色がまだ展開されていなかったことはかなり驚きだ。しかし(内面的な)改善がないにもかかわらずこのアップデートは非常に素晴らしく、おそらくUltra 2の購入を迷っていた多くの人々を引きつけるだろう。Ultra 2を数日間使用したが、実はこれが初めてUltraを装着した体験だった。49mm径のケースは私の小さな手首には絶対につけられないと思っていたが、考えが変わった。確かにケースは大きいが、旅行中でも街中でも快適につけられ、今では本気でコレクションに加えることを検討している。

まとめ
 今年はApple Watchの10周年を記念して大幅に異なるフォルムの新作が発表されると多くの人が期待していたが、実際はそうならなかった。代わりに私たちは、より派生的なモデルの登場を目撃したことになる。誤解を恐れずに言うなら、これらの変更はウォッチを前世代とは明らかに異なるものにしたが、これらは市場の成熟を象徴するものだと感じる。数年前、Apple Watchは世界的ベストセラーとなった。それから10年経った今では、Apple Watchは時計なのかという根本的な疑問が浮かんでくる。

jet black wristshot
 私たちが10年間Apple Watchを取材してきた経験に基づけば結論を急ぐことができると思うが、私に言わせればその問いに対する答えは明確にイエスだ。時計愛好家のサイトで目にする批判の多くは、Apple Watchを無機質なデジタルデバイスだと評している。しかし2014年当時、Apple Watchは機械式時計の歴史にインスピレーションを受けながら、21世紀向けに再構築された最初のスマートウォッチだった。

 ミニッツリピーターのチャイムにインスパイアされた通知音やサファイアクリスタル風防、そして“デジタル・クラウン”など、Apple Watchは常に機械式時計に敬意を表してきたように思う。今年のギヨシェ模様にインスパイアされた新しい“リフレクション”文字盤や、1秒に1回更新される常時オンディスプレイなど、Appleは単なる技術革新だけでなく現実のウォッチメイキングに基づく美的・機能的な判断を取り入れている。

jet black
 私はApple Watchを、フィリップ・デュフォーのシンプリシティのような職人技の結晶として称賛すべきだとは思わない。しかし80年代のセイコーのテレビウォッチに夢中になれるなら、なぜApple Watchに対して同じように夢中になれないのだろうか。毎年議論される基本的な定義に立ち返ると、Apple Watchは確かに時計だと言えるだろう。Appleも同じように考えているようだ。今年の基調講演でApple COOのジェフ・ウィリアムズ(Jeff Williams)がSeries 10について「これはまさにウォッチメイキングのマイルストーンだ」と語ったのが印象的だった。テクノロジーやエンジニアリングのマイルストーンではなく、ウォッチメイキングのマイルストーンだと明言したのだ。これは彼らがApple Watchを時計の文脈でどのように捉えているかを明確に示していると思う。

 同時にApple Watchは、多くの人々、特に若い世代が再び手首に何かをつけるきっかけとして素晴らしい成果を上げたというのが私(そしてその他多くの人々)の長年の持論である。ベン・クライマーが最初のApple Watchを報道して以来、HODINKEEの記事を通じて多くの人々がApple Watchを知り、そして機械式時計製造の素晴らしい世界に引き込まれてきたのを見てきた。これはゼロサムゲームではなく、両者が共存できるものだと私は信じている。