プッシュボタンにスティール素材を採用した3つの新しいオプションが登場した。

この8ラップがフルメタル仕様として登場するのは今回が初めてではないが、その仕上がりは依然として希少である。今回の最新JDM(日本国内向けモデル)は、過去40年間で最も多作な時計のひとつである8ラップに、3つの異なるテイストを加えている。

これらの新モデルのスペックに触れる前に、少し背景を紹介したい。オリジナルのタイメックス アイアンマンは1986年に登場した(ちなみに僕と同い年だ)。僕が初めて手にした時計は、インディグロ機能を搭載した1992年の画期的なモデルだった(詳しい話はこちらから読める)。8ラップは、2001年までタイメックスで活躍したジョン・ホウリハン(John Houlihan)氏がデザインした。タイメックスの日本部門によれば、パンデミックが終息する直前、彼らはホウリハン氏に連絡を取り、現代的でありながらノスタルジックな観点から8ラップを再現するための協力を依頼したという。その結果誕生したのが2022年のOGエディションであり、その成功以降、オメガスーパーコピー時計n級品 代引きタイメックスの日本部門はオリジナルの8ラップのフォルムをベースにした興味深くカラフルなバリエーションを次々と展開している。

供給が限られることも多いが、現在タイメックスは8ラップのプラスチックケースモデルを5種類展開している。僕はすべて所有していたが、どれも素晴らしく、価格はセール時で約80ドルから170ドル(日本円で約1万3000円~2万7000円)程度だ。結果それらのコレクションを2本まで絞り込んだ。ひとつは夜光ケースのアブ・ガルシアエディション(下の写真を参照。夜光はスワイプで確認)で、もうひとつはグレーシェードバージョンだ。後者は最近ジェイソン・ヒートン(Jason Heaton)氏にプレゼントした。タイメックスの綴りが“grey”ではなく“gray”になっているのは少し気になるけれど。

今回、すべてSS製のケース、ベゼル、ボタンを備えた新モデルが3色展開で登場した。まずオールブラックのTW5M66500はブレスレット付きで、定価は5万8300円だ。そしてブロンズゴールドトーンのケースに、レジンストラップを組み合わせた8ラップ メタル TW5M66600は5万2800円である。さらにベア(無加工)SS製ケースに、ブラックベゼルとストラップを組み合わせたTW5M66700も5万2800円(すべて税込)だ。注目すべき点として、これら3モデルの製品ページにはすべて、“この商品は限定生産で日本限定です”との記載があるが、Apple PayやGoogle Payを利用して米国への発送が可能であることを確認した。実際、北米在住の知人たちからはすでに手元に届いたとの話を聞いている。ちなみに、僕はまだ購入ボタンをクリックしていない。今年こそは控えめにしたいと思っているのだが…。

いずれにせよ、この3モデルはすべてケース幅39mmで、デジタルディスプレイを搭載し、前面と側面のボタンで操作する仕組みになっている。厚みやラグからラグまでの長さについては確認できていないが、プラスチックケースのモデルではそれぞれ10.5mmと46.3mmだ。機能面では、過去40年間の8ラップの設計を引き継ぎ、時刻と日付の表示に加え、クロノグラフ、アラーム、タイマーを搭載している。これらは、近年の(比較的)手ごろな価格帯のデジタルウォッチではごく一般的な機能だ。ただしこの3モデルはそれほど安価な価格とは言えない。300ドル(日本円で約4万7000円)以上の価格帯で純粋に技術を求めるなら、G-SHOCKやガーミンを選ぶだろう。これらは電波同期、Bluetooth、GPS、さらにはスマートウォッチ的な機能といった、より先進的な技術を備えているからだ。

これは完全にスタイル重視のモデルであり、僕としては狙い撃ちされた気分だ。

我々の考え
言うまでもないが、僕はこのモデルがとても気に入っている。これらは昨年夏に登場した、ビームスのオールメタルリミテッドモデルの延長線上にあるように感じられる。そしてタイメックスの日本部門は、これらがどれほど限定的なものかを明記していないが、現時点では購入可能だ。ただしこれが購入可能な理由は、おそらくプラスチックケースモデルより価格が数倍高いことにあるのだろう。価格が気になる人もいるだろうし、それは理解できる。僕も同じ気持ちだ。しかしG-SHOCKが5600が5600をフルメタル化した際の価格上昇を考えると、納得できる部分もあるだろう。さらに具体的な比較を挙げると、ビームスオールメタル 8ラップの小売価格は6万9850円(税込)で、現在もビームスから購入可能なようだ。

総じて言えば、僕はこのモデルにとても興味を持っており、最終的にはきっと購入してしまうだろうと思っているが、今回のアップグレードに対してこの価格は少し高いと感じる。ただしこの要因は、標準的なプラスチックケースモデルが、その非金属的な特徴をデメリットとして感じさせないからだろう。それに加えて、これらは非常にいい時計だ。これらのプレミアムモデルは、メタルケースが時計としての性能を向上させるために必要とは言いがたい装飾的な要素と感じられるため、対象となるオーディエンスはかなり限られると思う。そしてその理由は、アイアンマンが持つ、誰にでも合う雰囲気にある。これは“ノームコア”なアイコニックウォッチと言えるかもしれない。1993年にビル・クリントン(Bill Clinton)大統領が就任式でこの時計を着用していたが、もし当時メタル版があればそれを選んでいただろうか? 僕はこの時計について、クリントン大統領以上に考えすぎているのだろうか? 多分そうだろうし、おそらく間違いないだろう。

結局のところ8ラップの新たなバリエーションとして、本作をとても気に入っている(特に夜光ケースにはボーナスポイントを与えたい)。しかしこの価格帯は、時計愛好家や8ラップのファンのあいだでも評価が分かれるだろう。いずれにせよ、この時計を手に入れるには日本に目を向ける必要がある。

ディオール(DIOR)2025年秋の新作スキンケア「プレステージ マイクロ セラム ユー」が新登場。

まるで“サプリメント”新目元美容液
ディオール「プレステージ マイクロ セラム ユー」20mL 30,800円
ディオール「プレステージ マイクロ セラム ユー」20mL 30,800円
ディオール スーパーコピー“ご褒美スキンケア”として愛される「ディオール プレステージ」シリーズから、“サプリメントのような”目元美容液「プレステージ マイクロ セラム ユー」がデビュー。目元の疲労感を速攻でケアして、ハリと明るさに満ちた目元へと導いていく。

“銅の不足”で疲れた目元に
ディオール2025年秋スキンケア、疲れた目元を“サプリメントのように”速攻ケア新目元美容液|写真8
「プレステージ マイクロ セラム ユー」誕生の決め手となったのは、疲れた目元に関するディオール独自の科学的発見。目元の疲労感や、エイジングサインには“銅の不足”が由来していることを新たに見出した。

残念ながら、銅は自然に肌で合成できない栄養素で、スキンケアで補うことが必須。そこで力を発揮するのが“スキンケアのために生まれた”薔薇「グランヴィル ローズ」だ。

ディオール「プレステージ マイクロ セラム ユー」20mL 30,800円
ディオール「プレステージ マイクロ セラム ユー」20mL 30,800円
微量栄養素をぎゅっと濃縮させた、グランヴィル ローズ生まれの「ニュートリ ローズ ペプチド」を贅沢に配合。さらに、グランヴィル ローズ由来の銅を豊富に含むローズ ヒップ エキスを合わせることで、瞬時に疲れた目元をケアするサプリメントにような美容液を完成させた。

ディオール「プレステージ マイクロ セラム ユー」20mL 30,800円
ディオール「プレステージ マイクロ セラム ユー」20mL 30,800円
美容液の中には、2色のマイクロ パールとパウダーが配合されていて、クマなどの色ムラもカバー。11個の回転するセラミックパールが目元をクールダウンさせ、すっきり明るくみせてくれる。

マッサージツール一体型
ディオール「プレステージ マイクロ セラム ユー」20mL 30,800円
ディオール「プレステージ マイクロ セラム ユー」20mL 30,800円
マッサージツール一体型の革新的なルックスはそのままに、ネック部分をシリコンに変えることで、よりマッサージしやすいようにアップデート。眉間や目尻、目の下のシワに加えて、ほうれい線もケアでき、あらゆる表情ジワに的確にアプローチしてくれる。

左) ディオール「プレステージ マイクロ セラム ユー」20mL 30,800円
左) ディオール「プレステージ マイクロ セラム ユー」20mL 30,800円
塗布するたび目元の疲れが軽減、使い続けるほどにクマ、くすみなども目に見えるほどに改善していくという。まつ毛に塗布すれば、約1ヶ月の継続使用で、毛の強度までUPするというから驚きだ。

【詳細】
ディオール「プレステージ マイクロ セラム ユー」20mL 30,800円
発売日:2025年9月5日(金)予定

【問い合わせ先】
パルファン・クリスチャン・ディオール

ノモス グラスヒュッテ ラドウィッグ ネオマティックが登場。

時計ブランドが慈善団体と“コラボレーション”することはよくあるが、総額や影響についての詳細があいまいで単発の取り組みに対しては懐疑的になるだろう。しかしノモス グラスヒュッテと人道支援団体・国境なき医師団とのパートナーシップは、13年以上にわたって続く息の長いものだ。同ブランドはこの取り組みを通じてこれまでに130万ユーロ以上を集めたことを誇りを持って伝えている。これらの寄付金は、特別に製作された限定エディションシリーズによって実現されたものである。

今回ノモスは国境なき医師団のためにさらなる資金を集めるべく、新たにラドウィッグ ネオマティックの限定モデル2種類を発表した。これにより、12万5000ユーロ(日本円で約2000万円)を“Ärzte ohne Grenzen(ドイツ語で国境なき医師団を意味する)”に寄付する計画だ。このラドウィッグ ネオマティック(ネオマティックは自動巻きムーブメントを示す名称)は、38.5mmと36.4mmの2種類のケースサイズで展開し、どちらも自社製自動巻きムーブメントDUW 3001を搭載している。

このムーブメントはハック機能に加え、ノモス独自のスウィングシステムや焼き戻し処理された青色のヒゲゼンマイを特徴としている。さらにすべてのノモスの時計同様、価格帯を超えた美しい仕上げが施されている。パワーリザーブは43時間で、ケース厚はわずか7mmというコンパクトなデザインだ。

デザイン面では、これまでの国境なき医師団エディション同様に比較的控えめなアプローチを踏襲している。ダイヤルは艶やかなエナメルホワイト仕上げ(本物のエナメルではない)で、細長いローマ数字が並ぶラドウィッグならではのデザインだ。このエディション最大の特徴は、文字盤上の鮮やかな赤い“12”(ラドウィッグの場合はXII)であり、白いダイヤルとのコントラストが際立つ。これは控えめながらも力強いアクセントで、時計愛好家だけが気づくポイントと言えるだろう。針はダイヤル上のフォント同様に艶やかなブラックで仕上げられているが、“Neomatik”のロゴは金属的なゴールドカラーで配置されている。

ダイヤルのミニッツトラックの下部には“Ärzte ohne Grenzen”の文字が印字されており、団体への敬意を表すと同時に、この時計がドイツ製であることを示す細やかな配慮が感じられる。両モデルともブラックのホーウィン社製シェルコードバンストラップが装着され、各250本限定で販売される。36.4mmモデルの価格は58万9600円(税込)、38.5mmモデルは62万7000円(税込)である。

我々の考え
このモデルはノモスにとって特に革新的なものではないかもしれないが、文字どおり素晴らしい目的のために作られており、両者の関係がこれほど長く続いていることも喜ばしい。時計業界において、ブランドと近い団体のために安定した形で資金を集める取り組みを維持しながら、メディアの注目を狙った派手な宣伝や過剰なキャンペーンに頼らないのは非常にユニークな試みだ。過去のエディションも確実に売り切れてきたようなので、今回のモデルも同様の結果を期待できるだろう。私としてはブランドがこの枠組みを守り続けながら、一体どれほど多くのモデルをリリースし続けられるのかが気になるところだ。

Top Red Roman Numeral up close
Bottom Dial Signature
Dial Closeup
 製品の観点から見れば、国境なき医師団エディションのデザインスキームにラドウィッグを採用するのは自然な選択だったように思える。ラドウィッグのエナメルホワイトモデルは、クラシックなローマ数字が真っ白な文字盤に映えるデザインで個人的にもお気に入りだ。このモデルでは赤く着色されたローマ数字のアクセントが視覚的なアクセントとなっており、とてもよく機能していると感じる。そしてノモスのネオマティックモデルについて、(引き続き主張し続けたいことだが)印象的なスペックを持つムーブメントの仕上げや寸法は依然として称賛に値する。今後もこの路線を続けて欲しいと思う。

基本情報
ブランド: ノモス グラスヒュッテ(Nomos Glashütte)
モデル名: ラドウィッグ ネオマティック 国境なき医師団エディション(Ludwig neomatik – Ärzte ohne Grenzen)
型番: 282.S2; 250.S2

直径: 36.5mm/38.5mm
厚さ: 7mm
ケース素材: ステンレススティール
文字盤色: エナメルホワイト
インデックス: プリント
夜光: なし
防水性能: 5気圧
ストラップ/ブレスレット: ホーウィン社製シェルコードバンブラックストラップ

ヴィンテージロレックスの頂点に立つ手巻きデイトナ。

なかでもコスモグラフ Ref.6239のファーストモデルである“ル・マン”は、謎の多いモデルとして知られている。ル・マンとは、どのようなモデルだったのか。そしてロレックスはなぜ“デイトナ”へと舵を切ったのか。コレクターや有力なヴィンテージウォッチディーラーの力を借り、さまざまな角度から考察することで、その理由が浮かび上がってきた。

ヴィンテージロレックスには謎めいたモデルが非常に多い。オークションハウス、熱狂的なコレクター、有力なヴィンテージウォッチ専門店らの熱心な研究によって、徐々にその真相が解明されている。ポール・ニューマンダイヤルの人気に支えられ、“キング・オブ・クロノグラフ”として市場に君臨するコスモグラフ デイトナの手巻き時代のリファレンスも例外ではない。Ref.6240の文字盤に“ROLEX”とだけ表記される通称“ソロ”がその好例で、不確定要素が多いことから数年前と比べて価格が落ちている。それどころか現在では、ソロダイヤルはRef.6238に入るという話が有力視されているそうだ。対照的に人気が安定しているモデル、評価が上がり続けているモデルというのも存在している。ここ最近のオークションでは、バゲットカットのダイヤモンドベゼル、ダイヤモンド&サファイアのパヴェダイヤルを備えたRef.6270が日本円にして約5億6000万円で落札されたことは記憶に新しい。

なかでも最初期型のRef.6239、上の古いアドバタイジングに掲載された“ル・マン”と呼ばれるモデルは、コレクターたちの研究によって“再発見”されたことで注目されるようになったと言っても過言ではない。2013年にHODINKEE創業者のベン・クライマーはRef.6239のファーストモデルに関する記事を執筆しているが、当時のコレクターたちの認識では、変わったディテールを備えてはいるものの、デイトナ表記のない最初期型モデルという程度。ごく一部のコレクターがその存在を知っているくらいであり、今ほど注目を集めるようなものではなかった。2017年10月にフィリップスがコスモグラフ デイトナをテーマにしたオークション『ウィニングアイコンズ』を開催したが、ヴィンテージロレックスの世界でル・マンの存在が知られるようになり、コレクターたちがざわつき始めたのは、このオークションからさかのぼること数年前の2015年ごろだったと記憶している。とある雑誌の取材を通じて、国内屈指のヴィンテージロレックスのメガコレクターが所有する実機を初めて見たのだが、華やかなポール・ニューマンダイヤルとは真逆をいくシンプルなデザインに筆者の心は動かされ、のちにRef.6239を購入するきっかけになった。非防水のポンプ型クロノグラフプッシャーを装備したおよそ36.5mm径のケースは、ねじ込み式の防水クロノグラフプッシャーを採用したRef.6263などのモデルとはひと味違う魅力があったのだ。

『ウィニングアイコンズ』でポール・ニューマン本人が所有していた個体が約20億円で落札されて以来、手巻きのコスモグラフ デイトナ全般の価格が飛躍的に上昇し、人気は絶頂を迎えた。その一方でヴィンテージモデルにはより厳密にオリジナリティが求められるようになった。それはル・マンについてもしかりで、たとえ文字盤が正しいものであっても、全体のオリジナリティが損なわれていれば、評価は激減する。それとは対照的に、パーツの整合性が取れた個体の評価は高く、良質な個体に関しては価格は安定している印象だ。

競合だったオメガやロンジンと争い、そして“コスモグラフ”という造語から察するに、当時の宇宙開発競争にも乗り出していたであろうコスモグラフ デイトナ。カーレースの世界に参入することに勝機をみいだしたロレックスの威信をかけたこのレーシングクロノグラフは、発表から数十年の時を経て、有識者たちに“再発見”されたことで、改めて特別な輝きを放つに至った。

1964年当時のロレックスのカタログ。プロフェショナルモデルは3行目に並んでいるが、右端のコスモグラフ Ref.6239の隣には、同時代に併売されていたクロノグラフ Ref.6238が並んでおり、通常のクロノグラフとは明確に区別されていた。

フォーミュラ1のモナコグランプリ、アメリカで開催されるインディアナポリス500と並び、世界3大レースのひとつに数えられるル・マン24時間レースは、フランスのル・マン近郊で行われる四輪耐久レースである。2023年は、この偉大なレースの100周年を数えるアニバーサリーイヤーであると同時に、コスモグラフ デイトナ誕生60周年にあたる節目の年でもある。これを記念して、ロレックスはコスモグラフ デイトナ 18Kホワイトゴールド仕様のスペシャルエディション、Ref.126529LNを発表し、世界中のデイトナファンを熱狂させた。

今でこそ世界で最も有名なクロノグラフとなったコスモグラフ デイトナだが、成功までの過程は決して平坦な道のりではなかった。とりわけ手巻き時代のデイトナのディテールの変遷には、かつてない防水クロノグラフを目指し、ロレックスの開発チームが試行錯誤していた痕跡が見られる。ル・マンはロレックスにおけるレーシングクロノグラフの原点となった存在で、そもそも前述の古い広告のなかで“ロレックスの新しいクロノグラフはル・マンと呼ばれている”という一文とともに掲載されていたことに由来する、デイトナのファーストモデルであるRef.6239の最初期型につけられた通称だ。ル・マンの文字盤にはブラックとクリームホワイト(後者は特に希少性が高い)があり、1963年にのみ製造された。それゆえ、希少性においてはポール・ニューマンダイヤルを上回る。ヴィンテージロレックスに特化した専門店リベルタスのスタッフである中嶋琢也氏の見解によると、ル・マンの主な特徴として、以下のポイントが挙げられるという。

「ル・マンとほかのRef.6239では使用しているパーツに大きな違いがあります。そのひとつがステンレススティール製のタキメーターベゼルです」

Ref.6239の製造期間は1963年から1970年と比較的長い。その理由から製造年によって細かなディテールの違いがある。ベゼルは3種類あり、ル・マンに装着される時速300kmまで計測できる最初期のタキメーターベゼルには、そのほかのベゼルにはない“275”の数字が刻まれる。

「文字盤の6時位置にある“ダブルスイス”と呼ばれるふたつのSWISS表記、長く細い時・分針、これらもル・マンならではの特徴です。クリームホワイト文字盤について言及すると、クロノグラフ秒針がブルースティールのものもあり、デイトナの歴代モデルのなかでも際立った存在があります。“92…”から始まる6桁のシリアルナンバーであることも確認すべき重要事項です」

これ以外にも、夜光塗料にトリチウムを使用したことを意味する12時位置の“アンダーバー”の表記もマニア心をくすぐるデザインとして人気がある。

自身もブラックダイヤルのル・マンを所有する中嶋氏は、その魅力について次のように語ってくれた。「これはデイトナだけではなく、サブマリーナー、エクスプローラー、GMTマスターなどのファーストモデル全般に共通することですが、ロレックスの開発に対する意気込みがひしひしと伝わってきますよね。ル・マンについては、ただただ美しいと感じる優れたデザインに引かれています」

ゼニス × レボリューション 、わずか55gの軽量ハイパフォーマンスモデルだ。

軽量なクロノグラフウォッチを求めているなら、ゼニスとレボリューションがてがけたクロノマスター リバイバルの最軽量モデル“カバーガール カーボン”をチェックすべきだろう。ベルクロストラップ仕様のより手ごろなバージョンと、フルカーボン製のゲイ・フレアースタイルのブレスレットを備えた2種類が用意されており、重量はそれぞれ55gと59gとなっている。クロノグラフとしては驚くほど軽量で、ゼニスとレボリューションによるこの最新コラボレーションは、ルックスも非常に魅力的だ。

Revolution
本作はゼニスの歴史をまとめたマンフレッド・ロスラー(Manfred Rossler)の著書の表紙を飾ったA384をベースとする“カバーガール”リバイバルのデザインを踏襲しながら、素材に高弾性カーボンファイバーを採用している。これはロードバイクや自動車をはじめとするさまざまな分野で性能の向上をもたらした素材であり、具体的にはマクラーレン F1 GTRロングテール、RUF SCR、シンガーによるポルシェ911のプロジェクトが例として挙げられる。

ケースは航空宇宙産業向けのカーボンブロックを使用し、ゼニスがCNC加工によって直径37mm × 厚さ12.5mmのケースへと仕上げている。2020年に発表されたスティールモデルと比較すると重量は半分になり、2022年のチタンモデルからは23.2gの軽量化が実現している。

Zenith x Revolution Chronomaster Revival A3818 ‘Cover Girl Carbon’
文字盤もマットブラックのカーボンファイバー製で、“シャークトゥース”デザインのクロノグラスケールの外周にはパルスメーターとタキメーターが組み込まれている。さらにインデックスやクロノグラフスケール、針にはスーパールミノバが塗布され、強調されるとともに視認性が高められている。そしてムーブメントには、3万6000振動/時で作動し、約50時間のパワーリザーブを備えた高振動の自動巻きエル・プリメロ キャリバー400を搭載した。

機能としては、時・分・秒表示、デイト表示、30分積算計、12時間積算計を装備。価格はベルクロストラップ仕様(編注;これにはブラックのエンボスラダー・エフェクトカーフレザーストラップが付属)が176万円(税込)で限定150本。カーボンファイバー製のブレスレット仕様を希望する場合、2万7210ドル(日本円で約412万円)を用意する必要があるが、こちらはわずか10本のみの限定生産となる。

Zenith x Revolution Chronomaster Revival A3818 ‘Cover Girl Carbon’
我々の考え
よく知られているとおりオールブラックまたはブラックケースの時計に対する私のこだわりはひとしおで、この新作に強く引かれるのも当然だろう。確かに、2万7000ドルという価格はゼニスのリバイバルシリーズとしては高額だが、フルカーボン製のブレスレットが選択肢として登場すること自体が極めて珍しい。さらにレボリューションによれば、これ以上手ごろな価格でブレスレットを製造することは不可能だったとのことで、それゆえに生産本数が非常に限られているのも納得できる。このゲイ・フレアー風のラダーブレスレットは、カーボンファイバー製のG-SHOCKのように極めて頑丈なデザインとは言えないが、見た目の美しさは際立っている。

Zenith x Revolution Chronomaster Revival A3818 ‘Cover Girl Carbon’
リバイバル シャドウにも興味を持っていたが、今回のカーボン仕様はより完成度の高い仕上がりになっている。特に、ダイヤルに施されたホワイトプリントとカーボンケースの色調のコントラストが、従来のデザイン言語をさらに洗練されたものへと押し上げているのだ。全体の調和が取れており、視覚的にも非常に魅力的な1本に仕上がった。いつかこのブレスレット仕様を実際に着用している人に出会い、その全体のバランスを直に確かめてみたいものだ。

基本情報
ブランド: ゼニス×レボリューション
モデル: クロノマスター リバイバル A3818 カーボン カバーガール

直径: 37mm
厚さ: 12.5mm
ケース素材: 高弾性カーボンファイバー
文字盤色: マットブラックのカーボンファイバー製
インデックス: “シャークトゥース”のクロノグラフスケール、外周にはパルスメーターとタキメーターを統合
夜光: スーパールミノバを塗布した針、インデックス、クロノグラフスケール
防水性能: 50m
ストラップ/ブレスレット: ブラックカーボン・エフェクトベルクロストラップ(ブラックのエンボスラダー・エフェクトカーフレザーストラップが付属)、またはゲイ・フレアースタイルのラダー型カーボンファイバー製ブレスレット

porsche design
porsche design
ムーブメント情報
キャリバー: エル・プリメロ Cal.400
機能: 時・分・秒表示、デイト表示、60分積算計と12時間積算計を備えたクロノグラフ
パワーリザーブ: 50m
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 3万6000振動/時
追加情報: 総重量は55g(ベルクロストラップ装着時)、ケースバックとムーブメントリングはブラックのグレード5チタン製