50万円台以下で手に入るおすすめドレスウォッチ4選。

つい最近まで、スポーツウォッチの人気に押されつつあったドレスウォッチだが、我々は似通ったスポーツウォッチに飽きてきたのだろうか、近年はパテック フィリップやカルティエといったハイエンドのドレスモデルへの関心が増してきた。ただ今回は、もっと手軽にその魅力の一端に触れられる可能性を模索し、50万円台以下で流通するおすすめのドレスウォッチを各エディターがピックアップ。

 なおドレスウォッチは狭義の解釈では、“金無垢素材かつ2針の薄型手巻き時計であり、機能はなし(スモセコやカレンダーも含む)”に定められるのが一般的だ。しかし、時代が前進するなか、ドレスウォッチをもう少し広く捉えるのは現実的なことだと考える。

 本記事でのチョイスは前述した定義に必ずしも則らず、“ケース素材および駆動方法、機構は問わず、2針もしくは3針の薄型(10.9mm以下)モデル”とした。手に取りやすい価格帯の提案であるためこれを前提としている点をご了承いただきたい。

 本企画においてのドレスウォッチとは、“クラシカルなスタイルを踏襲した時計”くらいのイメージであり、ドレスアップ/ダウンスタイルも想定できるような汎用性のあるモデルをセレクトした。時計ビギナーはもちろん、スポーツウォッチマニアの方も我々が選んだドレスウォッチに一度目をとおしてもらいたい。

佐藤 杏輔、エディター
ユニバーサル・ジュネーブ “シャドウ”シリーズ(ヴィンテージウォッチ)

今回のテーマはセレクトが本当に悩ましかった。狭義のドレスウォッチを現行の時計で求めるなら、少なく見積もっても100万円以上の予算は覚悟しなければならない。例えば、ムーブメントが機械式ではなくクォーツ、あるいはケースがゴールドではなくステンレススティールであるなど条件を少し広げるなら、現行の時計であっても手頃な価格で手が届くものが見つかるが、その選択肢は極めて限られている。そんななかで筆者が今、手頃な価格でドレスウォッチを購入するなら、間違いなく現行の時計ではなくヴィンテージウォッチから選ぶ。ヴィンテージならブランドやコンディション次第で狭義のドレスウォッチも選択肢がいくつも挙がるし、それこそ前述のように条件を少し広げればその自由度は格段に増すからだ。なお、今回ドレスウォッチを選ぶ際の最低限の条件として、薄型の2針または3針(付加機能はギリギリでデイト表示)であること、そしてブレスレットではなくレザーストラップタイプの時計とした。この条件を満たす数多くの選択肢のなかでも筆者が特に注目しているのが、ユニバーサル・ジュネーブの“シャドウ”シリーズだ。

ユニバーサル・ジュネーブと言えば、多彩な機能を備えたクロノグラフを展開した“コンパックス”シリーズや、スカンジナビア航空のアメリカ便就航を記念してリリースされたポーラールーター(のちのポールルーター)などがよく知られている。特にポーラールーターは若かりしジェラルド・ジェンタがケースデザインを手がけたことでディープな時計好きのあいだでは評価が高い(この時計に興味がある方はこちらの記事をぜひ読んでみて欲しい)が、1960年代に登場した“シャドウ”シリーズもまたジェンタがデザインを手がけた名品だ。

“シャドウ”シリーズは、マイクロロータームーブメントを採用した極薄ドレスウォッチとして発表された。それぞれケース素材でモデル名が異なり、金無垢のゴールデンシャドウ、金張りのギルトシャドウ、そして SSケースのホワイトシャドウを展開した(デイトの有無で厚みは若干異なるが、いずれも6.5mm〜8mmのあいだに収まる)。ブランドのほかの名品に引けを取らない“シャドウ”シリーズだが、現在の市場ではそれほど注目はされておらず、状態のいい金無垢のゴールデンシャドウでも50万円以下で手に取ることができるし、SSケースのホワイトシャドウに至ってはコンディションによるところも大きいが、1桁万円から探すこともできる。フォーマルなシーンでしかつけないから費用を抑えたい、あるいは逆に手頃な価格だからこそ毎日のようにつけたいなど、選ぶ理由は人それぞれだが、いずれにせよ、ドレスウォッチを身近なものにしてくれる選択肢のひとつとなってくれることは間違いないだろう。

価格: 約10万〜50万円程度(執筆時の相場)。仕様や状態によって異なる。

松本 由紀、アシスタント エディター
ロンジン コンクエスト ヘリテージ

私は差し色にゴールドをあしらったモデルが好きだ。ただ金無垢モデルになると、純粋に手が届かないというのもあるがモデルによってギラつき感を感じてしまう。なので今回のドレスウォッチ基準に則ったとき、プラス要素としてインデックスや針にゴールドをあしらったものを選びたいと思った。

 チョイスしたロンジンのコンクエスト ヘリテージはシルバーのサンレイダイヤルに、ゴールドのドーフィン針とくさび形インデックス(ドレスモデルのインデックスにはバーとローマンが好まれるのはわかっている)、翼のついた砂時計のロンジンロゴを組み合わせている。またそのカラーウェイにマッチする、柔らかい色合いのブラウンレザーストラップも素敵だ。

 またドレスウォッチとしては賛否両論あるだろうセンターがやや窪んだダイヤルも、視認性を損ねることなく取り合わせており、個人的には評価したいディテールだ。デザインは、まさに私の理想とするドレスウォッチにピッタリなのだ。

 日付もないシンプルな3針モデルで、ケース径は38mm、厚みは10.8mm、パワーリザーブは約72時間と、取り扱いやすいスペックなのもいい。

 薄型かつシンプルという汎用性の高さはドレスウォッチの優れた点だが、“機能はシンプルに、デザインは派手に”をモットーに生きる私の場合、ドレスウォッチであってもほんの少しの工夫(今回はインデックスとダイヤル)が施された時計を選びたい(ここでピュアなドレスウォッチ主義者に陳謝します)。賛同してくれる方はいるだろうか?

価格: 42万9000円(税込)

牟田神 佑介、エディター
ノモス オリオン 33 デュオ

手に取りやすいプライスのドレスウォッチと聞いたとき、真っ先に思い浮かんだのがノモスのオリオンだった。ノモス自体がそもそもバウハウスの精神を継ぐミニマルウォッチの名手的ブランドではあるのだが、そのなかでもオリオンは特に繊細だ。細く伸びるインデックスに、ミニッツトラックまで届くすらりと長いバトン針を持ち、ふちが柔らかく湾曲するベゼルは薄く、ダイヤル上には“NOMOS Glashütte”のロゴだけがプリントされている。サイズも直径32.8mmから用意されていて小ぶりだが、長く伸びるラグのおかげか、男性の手首の上でもフィット感が損なわれるということもない。このラグも、直線的なものが多いノモスのほかのコレクションと比べて少しだけ内向きになっている。サイズ33のオリオンを実際に使用していた時期があったのだが、クラシックなジャケットなどと合わせた際にはこのラグのわずかな角度が効いてくるように思えた。

 そんなオリオンには、デュオと名付けられた2針モデルも存在する。象徴的な6時位置のスモールセコンドが取り払われたことでより洗練され、エレガントさが増しているように見える。また、インデックスと針にはイエローゴールドがあしらわれた。ライトベージュのベロアレザーストラップとの組み合わせでは柔和な印象だが、これをノモスではおなじみのブラックコードバンのストラップに付け替えればグッとメリハリが効いた華やかな印象になるはずだ。搭載しているのは、薄型の手巻き式自社製ムーブメントであるアルファ2。これによってケースの厚みは7.6mmにまで抑えられている。

 ケースは小ぶりかつ薄く、ダイヤルにはバーインデックスを備え、デイトもない端正な2針表示の時計だ。古典的なドレスウォッチの定義はひととおり押さえている。しかも、高精度な自社製造のムーブメントまで搭載してこの価格である。ドレスウォッチではあるが、ノモスらしい華美すぎないデザインが好き、という僕の気持ちに共感してくれる人がいたらぜひ検討してみて欲しい。

価格: 27万5000円(税込)

和田 将治、Webプロデューサー/エディター
グランドセイコー 初代グランドセイコー“ファースト”(ヴィンテージ)

ライフスタイルが多様化する現代では、ドレスウォッチの幅が広くなっていくように感じますが、個人的に絶対に外せないのは「薄型のラウンドケース」を備えた「2針(または3針)」であること。フォーマルなシーンで袖口にすっぽりと収まり、クロノグラフなどの複雑機構がつかないというのが個人的には絶対条件なのです。

 僕がおすすめするドレスウォッチは、“ファースト”の愛称で知られるグランドセイコーの初代モデルです。1960年、スイス製時計が世界の高級時計市場を席巻していた時代に国内で蓄積された時計製造のノウハウを生かし「国産最高級の腕時計をつくる」という野心的なプロジェクトの結果として誕生したグランドセイコー。その初代モデルは、1960年から約3年間の製造でしたが、探せば今でもつけることができる個体を十分に見つけることができます。確かに初代グランドセイコーは2011年、2017年に復刻されており、60周年の2020年からはレギュラーモデルにもラインナップされ、限定モデルもいくつか登場しています。今回の50万円以下という条件で考えるといずれも予算オーバーですが、オリジナルモデルならまだ選択肢があるのです。

 ケースは直径35mm、厚さ9.7mmの14Kの金張りで、ダイヤルには多面カットの時分針、そして力強い立体的なインデックスが配されていて、控えめながらも存在感を放ちます。12時位置のフラクトゥール(ドイツ文字)の“Grand Seiko”ロゴは、世代によってプリント、彫り、アプライドと変遷があり、小さな部分ですが時計の印象を左右する大きな要素です。手に取って見比べてみるのも楽しいです。ムーブメントは手巻き式のCal.3180。当時はスイスのクロノメーター基準に匹敵する独自の厳しい品質検定を経て、合格した製品にのみ付与される精度証明書と共に販売されました。現代のグランドセイコーも独自のグランドセイコー規格がありますが、最初のモデルからあったというのは興味深いですね。

 ファーストモデルは、現代のグランドセイコーのウォッチメイキングにもつながるものであるだけでなく、日本の時計産業におけるマイルストーン的なとても重要な存在です。ここぞという時に袖元を飾ってくれるドレスウォッチとして、僕にとってはパーフェクトなもののひとつです。

価格: 約30万~50万円程度、仕様、状態によっては約100万円のものも(執筆時の相場)

メタリックブルーが洗練を宿す、フルメタルG-SHOCKのニューモデル。

今年もまた、人気のフルメタルG-SHOCKに鮮やかな色合いの新作が加わった。果たして、このブルーが意味するものとは?

カシオの新製品発表会の時期がやってきた。ひと足先に僕たちはこの春から展開される新作群を目にしてきたわけだが、カシオの時計製造50周年というアニバーサリーイヤーということもあってか、G-SHOCKの40周年であった昨年に続いて魅力的なプロダクトが勢揃いしていた。なかにはそうきたか! と思わず膝を打ってしまう、まだ紹介できないことをもどかしく思うようなモデルもあった。

そして今回も、G-SHOCKにおける定番モデルとしてすっかり定着したフルメタルG-SHOCKの新作が見られた。2023年末に発売されたマルチカラーモデルもまだ記憶に新しいが、今作では2100系と5000系のアイコニックなデザインを踏襲しながら、それぞれダイヤルと液晶外周のガラス部分をブルーに染め上げている。

2100系をベースとしたGM-B2100ADは文字盤に、5000系をベースとしたGMW-B5000Dはガラス面に蒸着を行うことで、SS製の外装にもマッチするメタリックなブルーを鮮やかに表現している。特にGM-B2100ADはサブダイヤルの小針、立体造形のインデックスにも蒸着を施しており、これによってより統一感のある顔立ちに仕上がっている。なお、このブルーの発色の美しさは、山形カシオの精密金型技術が可能にする緻密な表面加工によるものであると、カシオは広報資料に記している。

なお、タフソーラーやBluetooth接続によるスマートフォン連携など、便利な機能群は引き続き搭載されている。防水性能は20気圧で、ファインレジン製の緩衝材をケースとベゼルのあいだに挟み込んだ耐衝撃構造も変わらない。また、GM-B2100ADはダブルLEDライト、GMW-B5000DではフルオートLEDバックライトによって暗所での視認性も確保している。GM-B2100AD-2AJFは8万8000円(税込)、GMW-B5000D-2JFは8万4700円(税込)で、ともに2024年4月の発売を予定している。

今作においても既存のフルメタルG-SHOCK同様、ベゼルの表面をヘアライン、斜面をポリッシュで磨き分けることでメタルの質感を最大限に引き出している。文字盤全面にブルーをあしらったGM-B2100ADはそのメタリックな質感もあり、とりわけこのフルメタルケースと調和しているように見える。思えば、GM-B2100シリーズにおいてダイヤル全面に着色を施した例は初めてなのではないか? 昨年のマルチカラーモデルのようにインデックスに色を入れたり、もう少しカジュアル色が強いメタルカバードモデル(GM-2100)でカラーダイヤルを採用することはあったが、フルメタル2100系のなかでこの顔立ちは非常に新鮮だ。よく見るとダイヤルの表面は透過しているようでもあり、このブルーの色合いを表現するために開発チームがどのような調整を行ったのかは話を聞いてみたい。

ちなみに、僕は今回のふたつのリリースが単なるフルメタルG-SHOCKのカラーバリエーションだとは思っていない。というのも、最近、同じくブルーを強調したカシオの製品を見たからだ。ずばり、カシオの時計製造50周年を祝う鏑矢(こうし)として2月末に発売されたカシオトロンである。コーポレートカラーでもあるブルーを纏った時計が立て続けに発表されたところには、カシオとしてアニバーサリーイヤーをさらに盛り上げていきたいという思いがあるようにも感じられる。まあ、僕の考えすぎで、偶然ブルーのモデルが続いただけなのかもしれない。しかしそれをおいても、フルメタルの重厚さを打ち消すような軽快なブルーは魅力的だ。どちらもこの夏、抜けるような青空の下でつけてみたい時計である。

基本情報
ブランド: G-SHOCK
型番: GM-B2100AD-2AJF、GMW-B5000D-2JF

直径: 44.4mm(GM-B2100AD-2AJF)、43.2mm(GMW-B5000D-2JF)
厚さ: 13mm
ケース素材: SS
文字盤色: ブルー(GM-B2100AD-2AJF)、液晶ディスプレイ(GMW-B5000D-2JF)
夜光: ダブルLEDライト(GM-B2100AD-2AJF)、フルオートLEDバックライト(GMW-B5000D-2JF)
防水性能: 20気圧防水
ストラップ/ブレスレット: ワンプッシュ三つ折れ式バックル付きSS製メタルバンド
追加情報: タフソーラー、ワールドタイム、フルオートカレンダー、パワーセービング機能、ストップウォッチ、時計アラーム、スマートフォン連動

価格 & 発売時期
価格: 8万8000円(GM-B2100AD-2AJF)、8万4700円(GMW-B5000D-2JF)ともに税込

チューダーはデビッド・ベッカム(David Beckham)が所属するサッカークラブ、インテル・マイアミとのパートナーシップを発表した。

チューダーのアンバサダーは、このエクスパンションチームの創設と、その特徴的でわかりやすい配色であるピンクの選定に携わっている。月曜日にパートナーシップが発表された際、我々の誰も時計が登場するとは思っていなかった。しかし24時間後の今、我々は新しいクロノグラフを見ている。チューダー ブラックベイ クロノ “ピンク”だ。

さて、この時計はインテル・マイアミとのパートナーシップに対する論理的なフォローアップのように見えるが、それは単にサッカー…またはフットボール(またはフトボル)に関することだけではない。チューダーのもうひとりの代表的なアンバサダーである、台湾のミュージシャン周 杰倫(ジェイ・チョウ)もピンクカラーを愛し、身につけていると知られているため、この新しい時計はチューダーのふたつの世界的な顔からインスピレーションを得たコラボレーションのようである。

我々が手にしたのは、41mmのスティールケース、ふたつのインダイヤルディスプレイ、6時位置の日付窓、ねじ込み式プッシャー、スノーフレーク針、COSC認定のCal.MT5813など、(ある意味)スタンダードなブラックベイ クロノである。BBクロノを知っていれば、どんなものかは基本的にわかるだろう。

もちろん、簡単に見落とされてしまう(あるいは製品ラインにすでに存在していると思われている)、些細なディテールを除いての話だ。それはもちろん、ブランドが昨年のWatches & Wondersで発表したばかりの、5連リンクのブレスレットである。これは明らかにロレックスのジュビリーブレスレットからインスピレーションを得ており、クラスプにはチューダーの“T-fit”アジャスティングシステムを備えている。

そうそう、その名前と写真だけでは十分かもしれないが、この時計はピンクダイヤルなのだ。これはドーム状のピンクの表面に、コントラストの強いブラックサブレジスターを配した、“ピンクパンダ”ダイヤルと言えるだろう。深度表示の赤いテキストとクロノグラフ秒針の先端は、全体の外観をさらに引き立てている。そして、私は5連リンクの組み合わせが大好きで、このブレスレットスタイルが全製品ラインに導入されるべきだと思っている。BBクロノは41mm径のサイズにもかかわらず、手首に装着すると大きく感じさせるのだが、このブレスレットスタイルは軽快さをもたらしてくれる。この新モデルの価格は79万2000円(税込)である。

チューダーはプレスリリースのなかで、ピンクダイヤルの時計が必ずしも万人に好まれるとは限らないと承知していると述べている。そのため、本モデルは通常の生産ラインとしてカタログに掲載されていない。事実、我々が思うに実際カタログに掲載されることはないだろう。その代わり生産数は限定され、少量生産となる(正確な数字は現時点では不明)。実際、私はブラックバッククロノピンクが、特に限定であることを考慮すれば、時計界の片隅で注目の的となるのではないかと考えている。

これまで保守的でヴィンテージ風に偏りがちだったモデル群を、派手で個性的に表現したのは確かだが、このピンクダイヤルはBBクロノに本物の楽しさを注入していると思う。そしてW&W 2024まであと2週間を切った今、この新モデルがリリースされたという事実に、私はとても驚いている。

むしろ、4月9日にチューダーから何が出て来るのか、さらに楽しみになってきた。

チューダー ブラックベイ クロノ “ピンク”。ポリッシュ仕上げとサテン仕上げを施した316Lステンレススティール製ケース、41mm径。316Lステンレススティール製固定ベゼル、ブラックアルマイト仕上げのアルミニウム製インサートとタキメータースケール。ピンクのドーム型文字盤にブラックカウンター。自社製Cal.MT5813、COSC認定、パワーリザーブ約70時間。価格は79万2000円(税込)。

ゼニス ファンキーな1969年製デファイダイバー A3648を忠実な37mmサイズで復刻!

これはブランドにとってデファイコレクションにおけるダイバーの最初の復活を示し、また実に歓迎すべきサプライズである。

チタン製のクロノマスター エル・プリメロとトリプルカレンダーを発表した(ローズゴールドベゼルに宝石を配したエル・プリメロもあった)。そして今回、ゼニスはWatches & Wondersにて、すべてが期待どおりではなかったものの、我々の期待に応えてくれる時計を発表した。

その意味するところは、ゼニスはA386、デファイなど、リバイバルモデルで知られているということだ。これまで、ブランドが歴史的に得意とする、時刻表示のみのモデルとクロノグラフというふたつの分野を見てきた。実際、ゼニスと言えば、エル・プリメロであり、“堅牢なダイバーズウォッチ”は思い浮かばないだろう。

ただ、そのように考えるのは間違っていると申し上げたい。その証拠に最新モデル、ゼニス デファイ リバイバル A3648は、実物を見れば真実が分かる。今日はゼニスが初めてデファイダイバーコレクションを復活させた日であり、それは実に特別な時計なのだ。

そしてA3648はゼニスの系譜において重要な時計である。ご存じない人も多いかもしれないが、これはデファイシリーズと有名なエル・プリメロの自動巻きクロノグラフがリリースされたまさにその年、1969年に同じく発表されたのだ。ゼニスにとっては大きな1年である。

歴史的に見ても、これはかなり注目すべき時計である。これがリバイバルモデルということを考えれば予想がつくかもしれないが、、発売当時は今日、私たちが見る時計と非常に似た外観をしていた。目を引くオレンジ色の装飾、デファイの特徴である角ばったケースデザイン、4時半位置のリューズ、600mという驚異的な防水性能(数学が得意な友人のために言うと、1969フィートだ)を備えていた。

今日発表された時計はとてもクリーンで鋭い復刻版である。ベゼル、針、アウタートラックのオレンジの特徴に合わせた、マットなブラックダイヤルがとても素晴らしく見える。デザインのインスピレーションを除けば、あらゆる点で現代的な時計だ。ゼニスのワードマーク、手書き風のスクリプトフォントである小文字のautomatic、昔ながらの斜体のDEFYは、完璧に配色にマッチしている。

ブレスレットにはサテン仕上げとポリッシュ仕上げの両方を備えた5連リンクブレスレットが付属。そして最大の特徴は、これまでのデファイモデルと同様、クラスプに至るまでブレスレット全体がゲイ・フレアー社(Gay Frères)製のオリジナルデザインを完璧に再現しているところだ(私はこの意匠が大好きだ)。なかには約50時間のパワーリザーブを備えたマニュファクチュール製Cal.Elite 670が搭載されており、シースルーバックからその動きを鑑賞することができる。

新しいゼニス デファイ リバイバル A3648は現在発売中で、価格は101万2000円(税込)である。

基本情報
ブランド: ゼニス(Zenith)
モデル名: デファイ リバイバル A3648(Defy Revival A3648)
型番: 03.A3648.670/21.M3648

直径: 37mm
厚さ: 15.5mm
ケース素材: ステンレススティール
文字盤: ブラックとオレンジ
インデックス: アプライド
夜光: あり
防水性能: 600m
ストラップ/ブレスレット: ステンレススティールブレスレット

Zenith
ムーブメント情報
キャリバー: Elite 670
機能: 時・分・センターセコンド、日付表示
パワーリザーブ: 約50時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時

価格 & 発売時期
価格: 101万2000円(税込)

ロレックスは2023年に124万本の時計を製造し、売上高は101億スイスフラン(日本円で約1兆7673億円)に達した。

この素晴らしい数字にもかかわらず、生産量は2029年に開業予定(2022年に発表)の新しい製造施設により大幅に増加する見込みである。ビュルはスイス・フリブール州グリュイエール地区に位置する小さな自治体である。スイスの新聞ノイエ・チューリッヒャー・ツァイトゥング(Neue Zürcher Zeitung)によると、ロレックスは先週の火曜日に新しい施設の初となる正式な写真レンダリングを含むプレスリリースを発表した。この公式発表は、建築許可が正式に提出され、フリブール州の公式広報紙に掲載されるわずか3日前に行われたものである。

ロレックスはスイスで最も自社内での生産体制が整っている時計メーカーのひとつであり、ほとんどの部品を社内で生産している。ロレックスグループは世界中で約1万4000人を雇用しており、そのうち約9000人がスイスに所在している。世界本社はジュネーブのアカシア地区にありそこで時計の開発と組立が行われる一方、ムーブメントはビエンヌで製造されている。ケースやブレスレットはプラン・レ・ワットで生産され、文字盤やセラクロムベゼル、セラクロムベゼルインサートも同じくここで製造される。最後にブランドの宝石学と宝石セッティングの専門知識はシェーヌ・ブールにある。新しいビュルの施設は、ラグジュアリーウォッチメーカーの全体の5分の1を占め、約2000人の労働者を雇用する予定である。

下記リンクのNZZ(ノイエ・チューリッヒャー・ツァイトゥング)によると、ビュルの施設は4つの生産棟が中央の建物でつながった構造になる予定である。ロレックスは最高レベルのBREEAM(建築研究所環境評価法、Building Research Establishment Environmental Assessment Method)認証を取得することを目指しており、これはスイスの工業建築としては初めての試みである。ロレックスの目標は、より一般的な設計と比較して建物のエネルギー消費を10%削減することである。

ビュルに計画されている10万平方メートルの施設は、費用が10億スイスフランを超える見込みである。そのあいだだ、生産能力の向上を図るため、ロレックスはロモンとヴィラ・サン・ピエールに3つの仮設工場を建設した。これらの新しい仮設施設には250人から300人のロレックス従業員が勤務しており、その全員が6年後にビュルの施設に移転する予定である。