チューダーが誇る最新鋭の新施設の裏側、

チューダーが建てたル・ロックルの新工場を見学。

今回僕は、スイス ル・ロックルに新しくオープンしたばかりのチューダーの工房見学の招待を受けて、2日ほど早くジュネーブに到着していた。最近、その新施設で組み立てられたペラゴス 39が手元に届いたこともあり、この日は秘密めいていながらも進化を続けるチューダーの世界を垣間見ることができる貴重な機会となった。その時計で時間を確認しながら、アッパーデッキからほかの報道陣がホテルを出てバスの座席を確保するのを見守った。

ジュネーブからチューダーの新施設までは、湖畔の都市を出てからスイス時計産業の中心地のひとつであるル・ロックルへ向かうため、クルマで2時間ほどかかる。興味深いのはブランドが97年という長い歴史を持ちながら、これがチューダーにとっては初となる独占生産拠点であるということだ。2018年に着工を開始して2021年に完成したこの工房は、チューダースーパーコピー時計代引きサプライヤーや産業能力、そして肝となる熟練の時計職人とつながるための理想的な地域に、チューダーに特化した専門拠点を提供することを目的に建てられたものである。

総建築面積は11万4000平方フィート(1万591㎡)以上、そのなかで6万平方フィート(5600㎡)以上の作業スペースを備え、700以上のリファレンスがあり、ここでは世界80カ国で販売しているチューダーウォッチの組み立て、テスト、品質管理が行われている。さらに温度と湿度を理想的にコントロールする特殊な空調システム、自動着色のエレクトロクロミックガラス、442枚からなるソーラーパネルによる電力供給など、エンジニアリングの視点から見ても、この建物は完璧に近代的に配慮されたソリューションとなっていた。

新施設は合理的に、ふたつの区画に分けられている。ひとつは組み立てフロア、テストフロア、品質管理(部品チェック、ブレスレットのフィッティング、刻印など)といったチューダーのオペレーションに特化した区画だ。そのもう一方には、チューダームーブメントの製造部門であるケニッシの専用スペースがある。

ケニッシと一緒にムーブメント側の新施設からスタートした。

チューダーのムーブメントを組み立てている時計職人の作業風景。

ここまであまりピンとこなかった方のために説明すると、ケニッシはチューダーが設立しているためその傘下にある。2015年からチューダーが自社製ムーブメントの開発に取り組んだ結果、ムーブメントの製造と組み立てを行う子会社として2016年に発足したのだ。現在ケニッシは、チューダー(当たり前か)、シャネル(ケニッシの事業の一部を所有している)、ブライトリング、タグ・ホイヤー、ノルケインなどのためにムーブメントを共有・開発している。とはいえケニッシはチューダーの元にある。

時計職人が座っているデスクには、手作業で組み立てられるムーブメントを管理する小さなプロダクションが内蔵されている。ムーブメントが職人に届けられると彼らは作業を行い、その後ロボットアームに支えられた中央のストレージから再びデスクを流れるキューへ1カ所に集められていく。

ケニッシは3つのレンジに分類されるムーブメントを製造しており、現在ひとつのムーブメントを構成する部品の約80%を自社で生産している(残りは密なパートナーを通じて供給)。チューダーの新施設ではふたつの同じ組み立てラインがあり、そこは部品や手作業で組み立てたあとの最終動作を、ほぼ自動化されたラインの一連に沿って停止位置へ供給する。注目すべきなのはケニッシが垂直統合型で運営しているのに対し、チューダーのムーブメント以外の生産は水平統合型であり、さまざまな部品はブランドパートナーを経由するか、チューダーがスイス所属の関連会社を通じて生産されているという点だ。

ムーブメントは、各デスクとムーブメントを組み立てる各ステージを結ぶトンネルで構成される専用システムを介して職人の手元に届く。

プラスチック製のホルダーに納められた小さなムーブメントは、コンピュータと専用のプロセスで制御。半透明のトンネルのなかを流れていき、職人の元から出たり入ったりする。ムーブメントが完成すると建物の反対側に向かっていき、もうひとつの区分である組み立てフロアにて、チューダーウォッチ本体に取り付けられていく。

なお組み立ての現場は僕が訪れたほかの時計メーカーと似たような感じだ。巣のように配置された時計製造のワークスペースのグループがあり、そこで熟練の時計職人の手によって、時計を構成するさまざまな部品がひとつにまとめられていく。それぞれの個室に設置しているデスクではあらゆるリファレンスの組み立ておよびチェックが出来て、すべてのプロセスは“無駄な在庫を持たない”理念に基づいて稼働しているため、クライアントや小売業者の実際の需要に基づいて生産している。各個室は1時間に3~5回、新しい空気を循環させて空間の流れをよくしている。ちょっとした工夫をすることで、発生するホコリを極限まで抑えているという。

次の工程では、組み立てが終わった時計(ストラップやブレスレットはセットしていない)がMETAS規格やTPC規定(Tudor Performance Controlの略)に基づいてさまざまなテストを受ける。このエリアは非常に素晴らしいロボットのサポートにより、24時間稼働する完全自律型の工程だ。時計は圧力テスト、精度チェック、極度の磁気に晒されても(特にMETAS認証のためにはマスト)パワーリザーブが正常に機能するかどうかの試験を行っている。テストの途中で見かけた、変わったモデルを見つけられるだろうか?

このステージでは、腕だけのロボットやダーレク(ドクター・フーに登場するロボット)みたいな配達ロボットが登場する。スイスの時計製造という環境を背景にしつつ、現代の製造プロセスの一端を感じられるとは、なんて素敵なことだろう。

ブラックベイ セラミックの模型を専用のロボットがトレイに乗せて回収場所に運ぶ動作。

これはテストフロアにある反磁性装置で、最大1万5000ガウスというMETASクロノメーターをテストすることができる。

METASクロノメーターを反磁性装置機に運ぶ専用のトレイ。

そして最後に、時計職人が時計、機能を徹底的にチェックし、希望の刻印を調整したのちブレスレットやストラップが装着される。おもしろいことに刻印はレーザー式で、実はかなりワイルドなデザインも可能とのことだ。

この裏蓋は“ホッケーのパッドなんてつけていない”(ニセモノではない)。

多くのロボットアームたちが特定のプロセスを実行しているのを見たあと、本物の人間がわずか数秒で新しいブレスレットをセットしている工程を見るのは楽しかった。チューダーのブレスレットを傷をつけずに装着するには特別な技術が必要なため、ぜひ講習会を開催してほしかった(しかも配送のためにブレスレットはビニールに包まれている状態だ)。それほど本当にすごかった。

ブレスレットやストラップをセットしている風景。

僕がいままでどんな記事を書いてきたか知っている人なら、この過去10年間、チューダーに多くの賛辞を送ってきたことをご存じのはずだ。僕は彼らが製造する時計を心から愛しているし、最近ではペラゴス 39を手に入れるほど自身のお金もつぎ込んでいる。だから今回ル・ロックルの新施設を見学し、実際に時計を組み立てている職人たちに会うことができて特別な喜びを感じた。僕の時計もそう思っているはずだ。

帰りのバスに乗ってジュネーブに戻るとき、チューダーの新しい施設は僕にとってのひとつの大きなコンセプトである、“成熟”を証明しているものだったと考えていた。チューダーはロレックスと距離を置くべきだと主張する人はいないと思うが、チューダーが過去15年間にわたって目覚ましい成功を収め、その成功によってブランドに少し余裕ができたことは確かである。この独立は、さまざまな事態を物語っているのだ。

それは生産量の増加を意味するのかもしれない。ひとつ確かなことは、METASクロノメーターのラインナップを増やしていくことを意味しているということだ。しかしそれは同時に、チューダーが価格帯、生産、サプライチェーンを守ることで、特にブランドの時計が実際に世界中に行き渡って多くの人たちの腕に巻かれるようになったとき、それがチューダーの継続的な成功につながることを意味している。

時計とハリソン・フォードのディエイジング(若返り)について取り上げよう。

スティーブン・スピルバーグは、第2次世界大戦の大作『1941(邦題:1941)』の公開からまもない1970年代末にジェームズ・ボンド映画の監督を目指していた。しかし彼の友人であるジョージ・ルーカスは別のアイデアを持っていた。オリジナルのストーリーを練っていると豪語していたルーカスは、スピルバーグにボンドよりも優れた企画があると告げる。当初はインディアナ・スミスという名前の登場人物が主人公で、考古学者でありながら冒険家でもあり、貴重な遺物を追い求めて遠く離れた地に赴くというストーリーだった。それは、『黄金(原題:The Treasure of the Sierra Madre)』(1948年公開)のハンフリー・ボガードのように青春時代に見た冒険活劇のヒーローのようであり、その一方で『007は殺しの番号(原題:Dr.No)』(1962年公開)のショーン・コネリーのような華やかさも備えていた。名脚本家であるローレンス・カスダンと共同で製作を開始し、その結果インディ・ジョーンズに名前を変えた主人公の活躍を描いた『レイダース/失われたアーク《聖櫃》(原題:Raiders of the Lost Ark)』(1981年公開)が誕生したのだ。ジョン・ウィリアムズが担当したこの映画の音楽は、スクリーン上で流された彼のどの楽曲よりも象徴的なものとなり、その後の歴史に残ることとなった。

インディ・ジョーンズが腕時計をつけなかったのは有名な話だ。それから40年後の現在、第5作目にして最終作となる『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(原題:Indiana Jones and the Dial of Destiny)』が世界中で上映され、ハリソン・フォードはヘンリー・“インディアナ”・ジョーンズ・ジュニア役を演じるにあたってヴィンテージ風のクォーツ ハミルトンを着用した。

注目する理由
封を切ったばかりの超大作だからこそ、我々はこの映画に注目している。まだほとんど誰もこの映画を見ていないのだから、ネタバレは一切なしだ。最初にこのタイトルを目にしたとき、自分のなかに潜む時計マニアはすぐに、このタイトルは時計の文字盤のことを指しているに違いないと思った。しかし結局のところ、それは大きな勘違いだった。だが、小道具部門と(『フォードvsフェラーリ(原題:Ford v Ferrari)』で有名な)インディ・ジョーンズの新監督ジェームズ・マンゴールドは、せめてこのキャラクターに腕時計をつけさせることにした。これはいいスタートだ。

この映画自体が文字どおり“時間”の概念を中心に展開されており、前述の“運命のダイヤル”が物語を進展させるマクガフィン(映画や小説などのフィクションにおいて、人物の動機づけや話の進行のために用いられる小道具や概念のこと)の役割を担っている。誤解を恐れずに言えば、これはタイムトラベルの能力を発動するためのアイテムだ(このコンセプトについて判断を下す前に、とにかく映画を見てほしい)。このダイヤルによってジョーンズは(フィービー・ウォーラー=ブリッジ扮する)彼の愛娘であるヘレナと対面することになる。彼女は金銭的な目的からダイヤルを狙っているが、これはジョーンズの核となる価値観に反するものだ。

運命のダイヤルの謎を追う旅のなかで、彼らはマッツ・ミケルセン演じる元ナチスのフォラー博士と対峙することになる。皮肉なことにミケルセンは2005年公開の『007/カジノ・ロワイヤル(原題:Casino Royale)』でも重犯罪者を演じている。このことがボンドとジョーンズの神話にさらなる深みを加えている。

今回の新作でもフォードを若返らせるべくディエイジング技術が駆使されている。しかしその結果、まさに不気味の谷のようなことが起こっているのだ。それについてどう思ったかについては、映画を見たあとで私に教えて欲しい。しかしこのディエイジングとタイムトラベルの話は、我々が好んで時計と呼ぶ小物へとつながってくる。フォード演じるジョーンズはこの映画内で、ハミルトンのアメリカン クラシック コレクションに属するボルトンを着用している。

1969年を舞台にした映画でクォーツ式のハミルトン? と思うかもしれない。そう、これは時代劇に登場する現代的な時計であり、今に始まったことではないが(『パール・ハーバー(原題:Pearl Harbor)』や『アルゴ(原題:ARGO)』を見てもそうだ)、この手の物語が本物らしく感じられない原因となっている。また、この時計はスクリーンにあまり登場せず、クローズアップすらされない。その代わり、ジョーンズの手首を遠くから眺めたときや、単にケースのシルエットが目に入ったときでも、ある種のアール・デコ調のヴィンテージな雰囲気を漂わせている。

そして、それは意図的なものだ。映画では(これはある種のネタバレになると思うが)この時計がかつて彼の父、ヘンリー・ジョーンズのものであったことが明かされる。これは『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦(原題:ndiana Jones and the Last Crusade)』(1989年公開)でこの役を演じた故ショーン・コネリーへのオマージュにほかならない。つまり、最初のクォーツウォッチが1969年まで市販されていなかったことから時代考証が正確とはいいにくい小道具であるにもかかわらず、我々が愛するセンチメンタリズムに根ざしているのだ。そしてこの映画が持つタイムトラベル的な側面をうまく利用して、この時計が未来からジョーンズ家に送られたのだと思い込めばいい。

丸みを帯びたカルティエ タンクのような縦長のクッションケースが特徴で、ケースサイズは27×31.6mm。ゴールドカラーのクローズドケースバックを備えており、クリーミーな文字盤にはスモールセコンドと華麗なアラビア数字が植字されている。全体的なスタイリングは1920~30年代を彷彿とさせるが、サイズやムーブメントには現代風なアップデートが見られる。最終的にこの特別なモデルは、ハミルトンのマーフウォッチのようにインディ・ジョーンズの時計として永遠に記憶されることだろう。

最後に、今夜映画館でポップコーンと炭酸飲料を楽しむ準備をしている人たちへ、もうひとつ注目してほしい出来事がある。目立ったブランド名こそないものの、ストーリーのなかで非常に重要な役割を果たすものだ。どうか注目して欲しい。

我らがブランドン・メナンシオは6月の初め、ロサンゼルスで開催された『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』のプレミアに出席した。彼はレッドカーペットを歩き、スターで埋め尽くされた劇場で、この映画を世界に先駆けて鑑賞したのだ。「最高でした!」と彼は語る。「ジョージ・ルーカスやスティーブン・スピルバーグが僕のすぐそばを通りすぎていったのには正直驚きました。衝撃でしたよ」

幕が開く直前、最後にもうひとつサプライズが用意されていた。あの巨匠、ジョン・ウィリアムズが自らステージ上でオーケストラを指揮し、インディ・ジョーンズのテーマを披露したのだ。「ジョン・ウィリアムズのパフォーマンスは間違いなく僕を驚かせるものでした」とメナンシオは語った。インディ・ジョーンズに別れを告げる最高の夜となったようだ。

見るべきシーン
時計に関連する最初の場面では、実際にそれを目にすることはない。だが我々は重要なことを耳にすることになる。ジョーンズとヘレナが猛スピードで追跡するシーンで、ジョーンズは彼の時計がなくなっていることに気がつく。ヘレナはすぐに彼女の同胞であるティーンエイジャーのテディが時計を盗んだのだと察する。彼女はテディに時計を返すよう促すが、そのタイミングでジョーンズは時計のいわれを明かす。

ザ・シチズンのメカニカルモデル第2章。

ザ・シチズンのメカニカルモデル キャリバー0200が2021年に登場したあと、しばらくのあいだ僕は時計愛好家の友人たちに会うたびに感想を求められました。メイド・イン・ジャパンのこれからの高級時計を担うコレクションとして多くの人たちが期待を寄せていたからです。僕は同モデルの外装から内部のムーブメントまで高く評価してきました。

先日、そのメカニカルモデルの新作としてデイトつきモデルが登場したとのことで、早速実機を見に行ってきました。その紹介を始める前に改めてザ・シチズンのメカニカルモデルについて振り返ってみたいと思います。

ザ・シチズンは、シチズンが誇るウォッチメイキングの技術を結集させ、腕時計の本質を追求する最高峰ブランドとして1995年に誕生しました。2021年、「身につける人の人生に永く寄り添う腕時計」を体現するために精度、品質、デザイン、ホスピタリティの理想に挑戦してきたザ・シチズンのシリーズラインに、新たなチャプターが幕を開けました。

約11年ぶりに新開発の自社製自動巻きムーブメントを搭載するメカニカルモデル キャリバー0200が発表されたのです。それまでのザ・シチズンといえば、年差±1秒を誇るエコ・ドライブ キャリバー0100を代表とする超高精度なクォーツウォッチというイメージが定着していたこともあり、この新たな機械式キャリバーが発表されるとたちまち時計愛好家たちの話題をさらいました。

まったくの新設計で誕生したメカニカルモデル キャリバー0200は、高い精度を長く保つことができるフリースプラングテンプや、LIGA工法によって部品精度を高めた脱進機が採用され、約60時間のパワーリザーブを誇ります。高いスペックを備えるだけでなく、2012年にシチズンが傘下に収めたスイスのラ・ジュー・ペレ社が有する高度な装飾技術が取り入れられたことで、美しい面取りなど審美性も高められました。

シチズンとラ・ジュー・ペレ社それぞれのノウハウが活かされており、日本とスイスの両者が持つアドバンテージが最大限に引き出された魅力的な機械式ムーブメントとなっているのです。

そんなザ・シチズンのメカニカルモデルに新たな1ページが加わりました。2023年新作として登場したメカニカルモデル キャリバー0210です。3時位置にデイト表示がプラスされ、防水性能は5気圧から10気圧へと引き上げられており、より実用性を重視したものとなっています。

新作のキャリバー0210、ブラックダイヤルのNC1000-51E。

ホワイトダイヤルを備えたNC1001-58Aも登場。

今作は、砂地模様が表現されたブラックダイヤル(NC1000-51E)と、一面に広がる白い雲のようなイメージで、ブラックとは異なるパターンのホワイトダイヤル(NC1001-58A)の2モデル展開です。

外観は、一体感のあるブレスレットを備え、大胆な面で構成されたラグがないケース、6時位置にスモールセコンドを配し、電鋳技法で独特なパターンを有したダイヤルなど、キャリバー0200で完成されたデザインコードがしっかりと維持されており、このデザインがキャリバー0200系モデルの伝統となることを示しています。

一見すると違いは日付表示の有無だけ……のように見えますが、仔細にみていくとそうではないことがわかります。シチズンは、日付表示が追加されることで変化するダイヤルのレイアウトバランス調整の工夫がいくつも盛り込まれているといいます。

まず最初に気付いたのは、12時位置のインデックス形状の変化です。キャリバー0200では真っ直ぐなインデックスだったのに対して、キャリバー0210では長さがやや短めの太い台形に変更されています。残りのインデックスもやや短く幅広のものへと改められています。

インデックスを太くすることでデイトの大きさとのバランスを取るというのは、デザイナーではない僕でも理解できるのですが、なぜ長さも調整したのでしょうか。シチズンによれば、太くなったインデックスによって面積比が大きくなりすぎないようにするためとのこと。そのために切り落とされた長さはわずか0.25mm。ほかにもインデックス天面の仕上げとの統一感を出すために時分針がホーニング仕上げからヘアライン仕上げに変更され、さらに6時位置の存在感を抑えるためにスモールセコンド内のアラビア数字がキャリバー0200のものよりも縦長の書体が採用されています。

キャリバー0200のアイコニックな外観と揃えるために、時計の文字盤という小さな空間にこれだけの緻密な調整がなされているのには驚きました。

さて、キャリバー0200が発表されてすぐに時計愛好家たちのあいだで大きな話題となった理由のひとつは、日付表示のないタイムオンリーウォッチだったことです。

僕もどちらかといえば、日付表示がないモデルが好みですが、よくよく自問してみると、実際は中途半端に感じられる4時半位置の日付表示や数字のインデックスを不自然にカットしてしまうようなデザインが苦手なだけで、適切にデザインされているものはまったく問題ないことに気づきました(僕のコレクションの3割は日付ありでした)。

キャリバー0210の登場は、前モデルをリプレイスするものではなく純粋に機能を付加したバリエーション展開です。シチズンはそれを最高の形で行ったのです。

ケースバックから見たCal.0210。

シチズンのこの過剰ともいえる緻密な調整は、文字盤のデザインに留まらずムーブメントにも表れています。ケースバックから見るムーブメントは、デイト表示にかかわる調整が文字盤側にあるため、基本的にCal.0200と変わりありません。シチズンは、Cal.0210にデイトを追加するにあたって、ただモジュールを足すやり方をせず、従来の輪列のわずかな隙間を縫うように日付表示用輪列を配置した一体型ムーブメントとして新たに開発されました。では、なぜシチズンがここにこだわったのか。それはケースサイドを見ると明らかになります。

上がキャリバー0210、下がキャリバー0200。

そう、シチズンがこだわったのはケースのプロポーション。キャリバー0210のケース厚は11.2mmで、増えたのはわずか0.3mm。上の写真で見てもわからないと思いますが、肉眼でもほとんど違いがわからないほど。もちろん着用感もそのままです。僕はキャリバー0200をはじめて手にとったとき、ザ・シチズンが掲げる精度、品質、デザイン、そしてホスピタリティの追求を体現しているモデルだと思いました。ホスピタリティの部分は、長期間の無償保証・無償点検でサポートという面から理解しているつもりでしたが、新作のキャリバー0210の登場によって、実はその快適なつけ心地こそ本シリーズで目指していた部分だったのではないかと思い知らされました。 

ザ・シチズンのキャリバー0200/0210からは、シチズンがこのシリーズをアイコンへと昇華させようとしているのが伺えます。以前、本サイトで「普通の最高級」と表現したことがありますが、普通だからこそスタンダードになり、そのスタンダードを突き詰め、長く続けることでやがてアイコニックな存在へとなっていく……。ザ・シチズンのメカニカルモデルが日本を代表するハイエンド機械式時計のひとつになるのは間違いないでしょう。変わらないという攻めと守り。いかに真髄を変えずに進化させるのか。次のチャプターが楽しみでなりません。

新型ポルシェ911 S/Tと同時に発表されたポルシェデザインの時計は、

クルマを手に入れて、時計も手に入れよう。

新型S/Tと911生誕60周年を記念した限定モデルとして、アイコニックなクロノグラフ 1に新たな解釈を加えたものとなった。だが、この時計が欲しいなら、同時にクルマも手に入れなければならない。
そう、ポルシェ911は今年生誕60周年を迎え、この名高いモデルのルーツである1963年に敬意を表し、同ブランドの極めてレーシーな911 GT3 Rsをベースにピュリスティックなチューニングを施した超ホットなP(ポルシェ)カーをGTプログラムから発表したのだ。新型911 S/Tは長い歴史を持つモデルであり、スポーツカー界のアイコンでもある911 S/Tのスペシャルモデルとして発表された。ポルシェデザインは、この限定クロノグラフ 1をあるデザインキューに基づき、クロノグラフ 1 911 S/Tとクロノグラフ 1 911 S/Tヘリテージ(このふたつのバージョンは、新型911 S/Tに用意された外装オプションのなかでもヘリテージデザインのものに由来する)から選択できるようにした。

911 S/T(クルマのほうだ)も時計もわずか1963台(本)の限定生産で、時計は992型の新型911 S/Tのオーナーになる人にのみ提供される。新型911 S/Tにならい、この時計は軽量かつ極めてレーシーな911の特別仕様として1970年まで遡るヴィンテージ911 S/T 2.4から具体的なインスピレーションを得ている。ここ数年のあいだにこのクロノグラフ 1が再登場したのをご存じない方のために補足しておくと、オリジナルのデザインは1972年に911をデザインした人物(F.A.ポルシェ)によって生み出されたものだ。同モデルは911というモデルの系譜と、ポルシェの現代的なポートフォリオの一部としてのポルシェデザインとの強い結びつきを示す、ブランドにおける特徴的な存在となっている。

porsche design chronograph 1 911 S/T
S/Tを所有する人は、40.8mm径のビーズブラスト仕上げのチタン製ケースと、厚さ15/15mmのブレスレット、12時間積算計付きのフライバッククロノグラフにデイデイト表示、ブレスレットのクイックチェンジシステム、付属のレザーストラップ(S/Tはブラック、S/Tヘリテージはブラウン)を備えた特別な新作クロノグラフ 1を手に入れることができる。

むき出しのチタニウムの質感もさることながら、ポルシェデザイン 911 S/Tの特徴的な魅力はヴィンテージ ポルシェのレーシングモデル、そのグリーンのメーターにインスパイアされ、アニバーサリーを表す赤い“60”をあしらったダイヤルデザインにある。同様に自動巻きムーブメントのローターは911 S/Tのホイールを模しており、カスタマイズによって自分の911 S/T(これもクルマの話だ)と同じ仕上げにすることができる。ポルシェデザイン 911 S/Tの場合は、ブリリアントシルバー、ダークシルバー、ブラックの3色から選ぶことが可能だ。911 S/Tヘリテージなら、“セラミカ”またはブリリアントシルバーから選べる。ホイールのカスタマイズには、S/Tバージョンなら“S/T”のロゴ、ヘリテージバージョンなら歴史的なポルシェのロゴなど、愛車のホイールと同じセンターキャップも含まれる。ケースバックにはあなたの愛車と同じ時計の限定ナンバーが刻印される。

ダイヤル側からこの時計がS/TバージョンとS/Tヘリテージバージョンかの違いを見わける唯一の方法は、すべての文字盤の1と2のマーカーのあいだにある小さなギアシフト図をよく見ることだ。S/Tの仕様ではこのデザインはマットブラックダイヤルの上にシルバーで描かれ、S/T ヘリテージでは同じ図がゴールドで描かれている。クロノグラフのレジスターに使用されているフォントも、ギアシフトのダイアグラムに使用されているものから引用されている。これは911 S/T(クルマ)が6速マニュアルトランスミッションのあるべき姿で提供されることへのダイレクトなエールである。

porsche design 911 S/T
ケース内部には、ポルシェデザインのCOSC認定自動巻きフライバッククロノグラフムーブメントであるCal.WERK 01.240が搭載されている。このムーブメントは独自の設計でコンセプ ト社によって製造された、ポルシェデザインだけの特別な仕様となっている(詳しくはGPアイスレース2023のために製作されたクロノグラフ 1についての記事を読んでいただきたい)。48時間のパワーリザーブに12時間積算のフライバッククロノグラフを備え、2万8800振動/時で駆動するムーブメントは自動車をテーマとしたクロノグラフに完璧にマッチしている。なお、Cal.WERK 01.240がクロノグラフ 1に搭載されるのは、これが初めてではない。

911 S/Tオーナー限定価格は205万4800円(税込)。クロノグラフ 1 911 S/Tには、ユニークな専用ケースと、新車に合わせたシリアルナンバー入りのプレートが付属する。

我々の考え
僕はクロノグラフ 1の大ファンであることを公言しているが、特に特徴的なブラックコーティングのケースを持たないモデルには強い関心を持っている。このデザインはとても機能的で、時代を超越した何かがある。ただ、僕はむき出しのチタンのほうが好みで、このブレスレットが2023 GPアイスレースエディションに合うのではないかと思っている。このS/Tモデルのダイヤルデザインについては、少なくとも通常のダイヤル(ギアシフトのパターンが含まれていなかったとしても)と比較した場合もクレイジーには感じず、カラーリングと大枠の仕上げも気に入っている(そして、それは少しも重要ではない)。なお、僕は911 S/Tを所有していないので、僕のフィードバックは衒学的なものに過ぎない。さて、HODINKEEへようこそ。

porsche design chronograph 1 911 S/T
上の手首上の写真を見ると、このケースとブレスレットがフルチタンによって温かみを増していることがわかり、僕はこれをとても気に入っている。さらにポルシェデザインは、ポルシェカーをオーダーメイドする際に使用されるものと同様のオーダーメイドカスタマイゼーションプログラムを十分すぎるほどに実装している。これは、カスタムビルド・タイムピースコレクションの時計に採用されているものと同様である(ホイールに合わせたローター、センターキャップのあしらいなど)。

また、価格に対して納得できない人のために言っておくと、購入者は基本的に全員事前審査済みであること(加えて、同ナンバーの限定モデルの購入率はかなり高いことが多い)、そして911 S/Tを選ぶ人は特に価格にこだわらないであろうことを考慮に入れたほうがいいと思う。ヘリテージのパッケージはそれだけでも2万360ドル(日本円で約291万円)のオプションであり、S/Tのペイント・トゥ・サンプル(PTS。特別カスタム、限定ペイント)オプションは4万3390ドル(日本円で約620万円)だ。ちなみに僕ならヘリテージパッケージのアイリッシュグリーンを、ヘリテージブラック/コニャックのベースとシルバーペイントのホイールに装着すると思う。13年落ちの僕のジープにぴったりだ。

porsche design chronograph 1 911 S/T
結局のところ、911 S/Tを手に入れられる(そしてそれを購入できる)幸運な1963人のうちのひとりでない人にとっては、これは一種のイベントでしかない。その点を考慮しても、ポルシェデザインはクロノグラフ 1を魅力的かつ個性的に表現し、また自動車業界に起こった出来事とうまく結びつけたと思う。このつながりは時計愛好家よりも911愛好家により強く訴えかけるものであることは間違いない。この新型車にもっとも強い思い入れを持つであろう、オーナーたちの心に響けばいいのだ。ポルシェデザインの時計とポルシェファンの深い結びつきをより完全にするためのツールとして、このS/T専用モデルは非常に理にかなっている。先日クロノグラフ 1 911ダカールでも同様の車両専用モデルが提供されたが、それに追随するものだと僕は思う。

基本情報
ブランド: ポルシェデザイン(Porsche Design)
モデル名: クロノグラフ 1 911 S/T(Chronograph 1 911 S/T)

直径: 40.8mm
厚さ: 15.15mm
ケース素材: ガラスビーズブラスト加工のチタン
文字盤色: マットブラック
インデックス: セラミック スーパールミノバ
夜光: スーパールミノバ
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: クイックチェンジ付きチタンブレスレットと付属のレザーストラップ(911 S/Tはブラック、911 S/Tヘリテージはブラウン)

porsche design chronograph 1 911 S/T
ムーブメント情報
キャリバー: ポルシェデザイン WERK 01.240(Porsche Design caliber WERK 01.240)
機能: 時・分・秒表示、デイデイト、フライバッククロノグラフ
直径: 30mm
厚さ: 7.9mm
パワーリザーブ: 48時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 25
クロノメーター認定: あり

価格 & 発売時期
価格: 205万4800円(税込)
発売時期: 新型(992型)911 S/Tのオーナーにのみ提供
限定: 1963本限定

150万円という予算での腕時計選びは?

150万円前後で手に入る厳選されたおすすめモデルから、新品・中古の選び方まで、腕時計選びに必要な情報を詳しく解説します。自分にとって最適な1本を見つけるためのガイドとして、ぜひ参考にしてください。

150万円の腕時計の魅力

一般的な腕時計が数万円から数十万円である中、150万円は確実に高級時計の領域に入りながらも、最高級ブランドの数千万円という価格からすると手の届く範囲といえるでしょう。

150万円という価格帯では、ロレックスやウブロ、ブランパンといった世界的に認知された一流ブランドの代表的なモデルが選択肢に入ります。これらのブランドは長い歴史と確かな技術力を持ち、時計好きからの信頼も厚く、社会的なステータスシンボルとしても十分な存在感を発揮します。

また、精密な機械式ムーブメントや耐久性に優れた素材、洗練されたデザインなど、職人技が込められた工芸品としての側面が強く、所有する喜びや満足感は格別です。さらに、人気モデルであれば資産価値としての側面も期待でき、将来的なリセールバリューも考慮できる点は大きな魅力といえます。

この記事では、腕時計のレンタルサービス「カリトケ」で展開されている腕時計の中で、150万円で入手できるモデルを紹介していきます。実際に市場で流通しており、購入可能なモデルばかりなので、より実用的な情報としてお役立ていただけるでしょう。

150万円で買えるおすすめの腕時計
150万円前後の予算で手に入る腕時計は、どれも一流ブランドの技術力と美学が結集された逸品ばかりです。ここでは、信頼性と人気を兼ね備えた代表的なモデルを厳選して紹介します。どのモデルも150万円という投資に見合う価値と満足感を提供してくれるでしょう。

ロレックス GMTマスター(16700)

ロレックスのGMTマスター(16700)は、文字盤をブラックで統一したシックな外観が印象的なモデルです。このカラーリングは、ビジネスシーンからカジュアルな場面まで、あらゆるシチュエーションに自然に溶け込み、着用シーンを選びません。まさに日常使いから特別な場面まで活躍してくれる汎用性の高さが魅力です。

最大の特徴は、3つの異なる時間帯を同時に把握できるGMT機能です。国際的なビジネスに携わる人や海外出張の多い人にとって、実用性の面で大きなメリットとなります。また、耐磁性に優れたゼンマイが使用されており、現代生活で避けて通れない電子機器の影響を受けにくい設計となっています。

GMTマスター(16700)は、ロレックスの中でも特に実用性を重視したモデルとして知られ、堅牢性と精度の高さで多くのユーザーから支持されています。150万円という予算で手に入るロレックスとして、コストパフォーマンスの面でも優秀な選択肢といえるでしょう。

ロレックス GMTマスター(16700)の商品詳細

ロレックス サブマリーナ デイト(16610)

ロレックスのサブマリーナ デイト(16610)は、ダイバーズウォッチの歴史において語り継がれる名作です。ダイバーズウォッチの原点として位置づけられるサブマリーナは、今なお圧倒的な人気を誇っています。防水性能はもちろん、視認性の高い文字盤デザインや確実な操作感のベゼルなど、実用性を追求した設計が随所に見られます。

サブマリーナ デイト(16610)は、伝統を受け継ぎながら現代的な機能性を備えた完成度の高いモデルです。カジュアルなTシャツスタイルから、ビジネススーツまで幅広いコーディネートにマッチし、TPOを問わず着用できます。ロレックスの代表モデルとして、認知度も非常に高く、150万円の投資に見合う満足感を得られるでしょう。

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ロレックス ミルガウス(116400GV)

ミルガウス(116400GV)は、ロレックスのスポーツウォッチコレクションの中でも特に個性的な存在です。最大の特徴は、ミルガウス専用に開発されたムーブメントを使用することで実現した、極めて高い耐磁性能にあります。現代社会では、スマートフォンやPCなど、磁気を発する機器に囲まれて生活しているため、この耐磁性能は非常に実用的な機能といえます。

デザイン面では、オレンジ色の稲妻をモチーフにした秒針が印象的で、これはミルガウスならではの独特な特徴です。この遊び心のあるデザイン要素が、他のロレックスモデルとは一線を画した個性を演出しています。文字盤のレイアウトも他のスポーツモデルとは異なる独自性があり、人とは違った時計を求める人には特に魅力的でしょう。

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ウブロ ビッグバン ウニコ チタニウム(441.NX.1170.RX)

ビッグバン ウニコ チタニウム(441.NX.1170.RX)は、ウブロが4年の歳月をかけて開発した自社製ムーブメント「ウニコ」を搭載した技術的な傑作です。ウブロの時計製造技術の粋を集め、高精度なクロノグラフ機能を提供します。機械式時計の醍醐味ともいえる複雑機構を、現代的なアプローチで実現した注目のモデルです。

最も印象的なのは、スケルトンの文字盤から高級クロノグラフムーブメントの動きを贅沢に眺められることです。歯車やローターの精密な動きを肉眼で確認できる体験は、機械式時計ならではの魅力です。

チタニウム素材を使用したケースは、軽量でありながら高い強度を持ち、日常使いでも疲れにくい装着感を実現しています。ウブロ独特のモダンで力強いデザインは、従来の時計の概念を覆すインパクトがあり、個性的なスタイルを好む人には特に響くでしょう。

ウブロ ビッグバン ウニコ チタニウム(441.NX.1170.RX)の商品詳細

ウブロ ビッグバン メカ10(414.NI.1123.RX)

ウブロのビッグバン メカ10(414.NI.1123.RX)は、約10日間という驚異的なパワーリザーブを誇る手巻きムーブメントを搭載した技術的な挑戦作です。一般的な機械式時計のパワーリザーブが40時間程度であることを考えると、この10日間という持続時間は革新的といえます。

パワーリザーブの残量表示も巧妙に設計されており、通常時は6時位置で確認でき、残り3日になると3時位置に赤く表示される仕組みになっています。これにより、ゼンマイの巻き上げタイミングを適切に把握できます。機能美と実用性を兼ね備えた、ウブロらしい革新的なアプローチが光る設計です。

手巻きムーブメントは、毎日のゼンマイ巻き上げ作業を通じて時計との特別なつながりを感じられるのも魅力の1つです。機械式時計の伝統的な楽しみ方を現代的にアップデートした特別なモデルといえます。

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ジラール・ぺルゴ ロレアート クロノグラフ 42mm(81020)

ジラール・ぺルゴのロレアート クロノグラフ 42mm(81020)は、ラグジュアリースポーツウォッチの美学を体現したモデルです。スポーツウォッチの機能性とエレガントな装いを見事に融合させており、まさにスポーツエレガンスという言葉がぴったりの時計といえます。

最大の魅力は、その汎用性の高さにあります。休日のカジュアルなTシャツスタイルから、平日のビジネススーツまで、どのような装いにも自然にマッチします。42mmのケースサイズも、存在感と着用感のバランスが絶妙です。

ジラール・ぺルゴは1791年創業の老舗ブランドであり、その歴史と伝統に裏打ちされた時計製造技術は高く評価されています。ロレアート クロノグラフ 42mm(81020)は、そうした伝統的な技術を現代的なデザインで表現した傑作といえるでしょう。

ジラール・ぺルゴ ロレアート クロノグラフ 42mm(81020)の商品詳細

ショパール アルパインイーグル ラージ(298600-3002)

ショパールのアルパインイーグル ラージ(298600-3002)は、アルプス地方の豊かな自然とそこに生息するワシ(イーグル)をモチーフにした、自然からインスピレーションを得たユニークなラグジュアリースポーツウォッチです。

文字盤の独特なざらついた質感は、ワシの虹彩を表現したもので、光の当たり方によって異なる表情を見せます。また、針のデザインはワシの羽毛を連想させる繊細で上品な仕上がりとなっており、細部まで徹底されたテーマ性が印象的です。このような自然をモチーフにしたデザインは、他のブランドでは見られない独創性があります。

ベルトとケースには、ショパールが4年の歳月をかけて独自開発した「ルーセントスティール」という革新的な素材が使用されています。この素材は従来のステンレススチールよりも金属アレルギーが出にくい特性を持ち、敏感肌の方でも安心して着用できます。

ショパール アルパインイーグル ラージ(298600-3002)の商品詳細

ブランパン フィフティファゾムス(5015)

ブランパンのフィフティファゾムス(5015)は、ダイバーズウォッチの先駆けとして時計史に名を刻む伝説的なモデルです。1953年に誕生したオリジナルモデルは、現代のダイバーズウォッチの原型となっており、この5015はその高貴な血統を受け継いだ現代版といえます。

設計の核心にあるのは、極限の環境にも対応する高い防水性能と視認性です。深海での使用を想定した堅牢な作りながら、日常生活でも違和感なく着用できるラグジュアリーな仕上がりを実現しています。

文字盤デザインは、視認性を最優先に設計されており、どのような環境下でも時刻を正確に読み取れます。しかし、機能性重視のデザインが逆に洗練された美しさを生み出しており、腕時計の本質的な魅力を感じさせます。

ブランパン フィフティファゾムス(5015)の商品詳細

ハリー・ウィンストン オーシャン トリレトロ ザリウム(400-MCRA44ZK)

ハリー・ウィンストンのオーシャン トリレトロ ザリウム(400-MCRA44ZK)は、3時、6時、9時位置にレトログラード機能を搭載した技術的に非常に珍しいモデルです。

レトログラードとはフランス語で「逆行」を意味し、通常の時計回りの動きとは異なり、反時計回りに動作する複雑機構です。指針が始点から終点に達すると瞬時に始点へ戻り、再び反復運動を行います。

ケース素材には、チタンよりも硬く丈夫なザリウムという特殊合金が使用されています。航空宇宙産業でも使用される高性能金属で、日常の使用における傷つきにくさと軽量性を両立しています。

デザイン面では、ベルトやケースのマットでスポーティーな質感と、文字盤から漂う高級感の絶妙な組み合わせが印象的です。この相反する要素の調和が、ハリー・ウィンストンらしい洗練されたセンスを感じさせます。